【あらすじ】
ある日、ゴレンは目が覚めると「48」階層にいた。部屋の真ん中に穴があいた階層が遥か下の方にまで伸びる塔のような建物の中、上の階層から順に食事が"プラットフォーム"と呼ばれる巨大な台座に乗って運ばれてくる。上からの残飯だが、ここでの食事はそこから摂るしかないのだ。同じ階層にいた、この建物のベテランの老人・トリマカシからここでのルールを聞かされる…1ヶ月後、ゴレンが目を覚ますと、そこは「171」階層で、ベッドに縛り付けられて身動きが取れなくなっていた!果たして、彼は生きてここから出られるのか!?
以下、ネタバレ注意です。
CUBEが真っ先に思い出される感じの作品。コンクリ打ちっぱなしの無機質な部屋に閉じ込められて、映像の殆どが同じ空間で作られていく。
各部屋は縦方向にのみつながっていて、1日1回、食べ物の乗ったテーブルが降りてくる。つまり、上層にいれば、自由に食事が出来るが、下層にいけばいくほど食べ物は残っていないし、テーブルの上もぐちゃぐちゃにされ、目も当てられないような惨状となっていく。
この設定部分が素晴らしい点で、かなりワクワクさせられる導入です。まさにアイデア勝負!
その他の設定としては、一定期間、この建物で住み続けることで、認定証とやらがもらえて楽な生活が出来るようになるらしい。主人公の場合は半年と言われているが、期間はどうやら人によって異なるようで、しかも本当に出られるのかどうかも不明。
コレ系の作品は、勝手にブチ込まれるケースが多い気がするけど、この作品はどうやら、みんな自分の意思で入ってきているらしい。「認定証」とやらの詳細や、ここが外の世界でどんな施設だと説明されているのかは詳しく明かされないため、個々人がここにいる動機のようなものはあまり明かされない。
まあつまり、細かい話の流れは大して重要じゃないんだ私は受け取りました。
随所に聖書をベースとした名前や数字が出てくるので、ストーリーや設定に深く関わっていると思われますが、そのあたりに疎くてもある程度楽しめました。最後の方は抽象的な言葉が続いて終わっていくので、濁されるのが嫌いな人にはオススメできない作品って感じ。
人間の汚さとか、社会主義、共産主義へのカウンターとか、なにかしら深いメッセージ性があるんだ!…なんて言いたいところですが正直良くわからん、というのが本音です。わからないなりに楽しめました。
学がほしいなぁ学が。
ちなみに言語はスパニッシュ。英語の勉強も兼ねて見ようと思ったら英語じゃなかったです。そんな日もある。