
原作:らる鳥・しあびす/漫画:成田コウ。既刊7巻までを一気に読んだので感想・レビューを書きます。
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紹介・感想
長命エルフ系作品といえば、某フリーレンが圧倒的メジャー作品として人気を博してますが、本作もそんな長命で、悠久の時を生きるエルフ・エイサーが主人公のファンタジー冒険譚。
どうしてもテーマからフリーレンと比較したくなりますが、共通するところもあれば、全く違う読み味で楽しめる部分もあり、十分に楽しめる一作となっていました。
タイトルに「スローライフ」と入っているので、てっきり自由気ままな幸せスローライフ!という感じなのかと思いましたが、よく読むと「スローライフは120年で飽きました」と書いてあるとおり。全然スローライフではなく、むしろ常に苦難やトラブル、出会いと別れを繰り返す、ハードでビターなところもある作品です。
個人的に、その理不尽さにはどこか「キノの旅」のような感覚もあり、一筋縄ではいかない、世界の手ごわさが存分に表現されているのも魅力の一つです。
長命であるが故の悲しみを存分に
フリーレンでは、勇者没後の旅をゆっくりと味わっているような感じですが、こちらの転生ハイエルフでは120年のスローライフのあとの怒涛の新生活を、エイサーと一緒に走り抜けていくことになります。
1話の中で十数年時が進むようなこともあり、かつてエイサーの視点で訪ねた街と人が、数十年の時を経てすっかり変わってしまう、なんて体験を味わうことができるわけです。
もうね、人の命の儚さを再認識させられますよ。また出会う奴らが、どいつもこいつも癖があるけど良い奴らばっかりでね。なのに、別れの後に再会できるかどうかもわからない。出会えたとしてももう年老いた姿になっていて……。
既刊中盤以降は、かつての機知の人々を看取るシーンも出てくるのですが、いつも以上に悲しさがこみ上げてくるような気がしてなりませんでした。
一筋縄ではいかない世界
精霊の力を借りられ、非常に能力の高い主人公でも、このシビアな世界ではその力の影響は限られていて、全然安心できません。
エイサーの力の底は見えていないので、本気を出せばまた違うのかもしれないんですが、彼なりの葛藤も世界の事情もあるし、守るものもいっぱいあって、ほんと一筋縄ではいかない世界なのが作品の魅力になっていると思います。
普通に作中で命の危機っぽいシーンも複数ありますし、非情な選択を取らざるを得ないシーンなんかもあって、主人公の葛藤が伝わってくるエピソードが深みを増しています。
まとめ
よくあるなろう系無双スローライフものかと思いきや、思わぬ苦みと深みがありつつ、魅力的なキャラクター郡と、それと向き合う長命種というテーマが存分に描かれた一作でした。
既刊7巻ですが、おそらく物語はまだまだ続いていくと思うので、今後の展開が気になります。オススメです!
