
原作 神通力、キャラクター原案 桧野ひなこ、漫画 凪庵。『萌え豚転生 ~悪徳商人だけど勇者を差し置いて異世界無双してみた~』を読んだので、感想・レビューを書きます。
紹介/感想
異世界転生にはチートとハーレムがつきものというものですが、変に女の人と関わるのも考えものだというのは、現世を生きる懸命な人々の共通認識となりつつあるこの頃。
本作の主人公は、そんな思考にバッチリ侵されていて、転生したことに気づいて最初にやるのが、周囲の女性メイドを解雇すること。そして、手元においたのはガチッと屈強そうなおじさん三人(内2人は獣人)。
というわけで、「萌え豚転生」というタイトルからは思いも寄らない、堅実すぎる有能主人公と、周囲を彩るおじさんたちが魅力的なのがこの作品。
クソガキに転生して、途端に人が変わって真人間になるというのはよくある展開なんですが、そこからおじさんばかり周囲に置くという展開は新鮮で、暑苦しさはあるのですが不思議と安心する物語なんですよね。
漫画としては、3巻で完結。ノベル1巻分くらいでしょうか?
正直かなり物足りないし、ラストはちょっと駆け足で、もっとじっくり読みたかった!というのが本音ではあるんですが、一応完結という形にはしっかり行き着きます。
終盤はおじさん達が大活躍なので、何か不思議と満足しちゃいました。もっと大暴れするところを見たかったくらい。
3人の従者たちはいいキャラだし、息子を溺愛する親父も、ちゃんと強い大人なので、主人公が報いようとする姿勢に説得力があるんですよね。
まとめ
白豚貴族さんとは違って、腹に黒いものを渦巻かせつつも、堅実に生き抜く萌え豚の物語。
巻数の短さこそデメリットですが、漫画としてはしっかり面白くて、満足できる一冊です。
おじさんのことばっかり書いたけど、ほんとはメイド長アサシンが好き。


