
原作・橙乃 ままれ、漫画・石田 あきら。『まおゆう魔王勇者 「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」』を読んだので、感想・レビューを書きます。
紹介/感想
WEB小説が盛り上がり始めた頃のヒット作で、根強い人気を持つ「まおゆう」の漫画を今更読みました。アニメ化もされた作品ですね。
原作者は、ログ・ホライズンでも有名な橙乃ままれ先生。後に、脱税問題が発覚して以降はすっかり音沙汰がない氏ですが、デビュー作であるこのまおゆうは、ログ・ホライズンに負けない圧倒的世界観の素晴らしさと、群像劇の出来の良さ。そして、その物語を丁寧に、カッコよく描ききった石田あきら先生の凄さを堪能できる一作でした。
そもそもは2ちゃんねるで連載されていたというものらしく、当時ブーン系小説とか、勇者ものSSスレとか熱心に読み漁っていた自分としては多分一度は目にしていた作品。でも、通ってはないんですよね。「魔王勇者モノといえば」という作品として本作の存在は知っていたのですが、なぜか一度もちゃんと読んだことのなかった作品だったりもしました。
さて、実際の本編の方ですが、まぁ熱い。
読み始める前は、魔王が勇者に惚れて「われのものとなれ!」みたいな事が起きる、今となってはよくあるタイプのラブストーリーなのかと想像していたのですが、そんなことはなく、非情に綿密に寝られた軍事紀行で、平和を構築するための内政モノで、それでいて各キャラクターの活躍が生きる群像劇となっていました。
圧倒的「武」を体現する勇者の力があっても、世界が平和にならないということに対する説得力がしっかりあって、ここはやはり、ままれ先生の本領発揮というところなのだと思います。
その世界が躍動する石田先生の画力もすごくて、王道少年漫画的な線の力強さがありつつ、敵の存在を描いたときの恐ろしさが凄いんですよね。最後の障壁となるアレ、まじで怖かった(笑) 各キャラクターもカッコよく・可愛く描かれていて、自然と愛着が湧いちゃう仕上がりなのでした。
モンスターというか、魔族組もかっこいいし、見どころがいっぱいの作品です。
まとめ
ちなみに、本作のコミカライズ、この他にも出ていてそれぞれ内容的にも異なるところがあるよう。一番巻数が多く出たのはこの石田先生版のようなのですが、他の作品も人気が高いようです。現代で言う「薬屋のひとりごと」みたいな感じですね。そして奇しくもあちらでも同じ税の問題が……(笑)
そんなことはさておき、全18巻。間違いなく熱中できて、満足のボリューム。ドラクエシリーズなどから連なる「勇者と魔王」という物語の一つの到達点が間違いなくここにあります。
機会があればぜひ読んでみてはいかが。

