
仲倉千景 著。『旦那のファンに殺されたモブ聖女は、現代飯でフラグをへし折ります』を読んだので、感想・レビューを書きます。
紹介/感想
朝起きると、パートナーから憤怒のメッセージが届きました。
「信じられない終わり方だったから読んで欲しい」
紹介された作品は、最近よくある異世界グルメ系聖女モノという感じ。まあこの手の作品は、2~3巻で打ち切りになってしまうというのはよくあることなので、同じようなパターンだろうと思ったのですが、私の想像をはるかに超えるラストが待っていたのでした。
言っておきたいのは、漫画としては普通に面白いんですよ。Amazonレビューだって、1巻は星4.8と高水準。
作者の仲倉千景先生は、今年7月にアニメ化も決まった「ずたぼろ令嬢は姉の元婚約者に溺愛される」のコミカライズを担当されていた方で、実力もお墨付き。
原作もなく、オリジナルものとして作成された今作でも、しっかり令嬢ラブコメものとして、芯の強い主人公への共感と、対を成すヒーロー役のかっこよさがしっかり溢れ出ていながら、持ち前のコメディ力でぐんぐんページを捲りたくなる一作に仕上がっています。
個人的には、グルメもののくくりにしちゃうのはちょっともったいないというか、もっと自由に各キャラが暴れられるようなテーマでも良かったんじゃないかと思いました。テーマが悪いというわけではなく、せっかく魅力的で個性的なキャラクターがいるんだから、グルメという箱に収める必要があまりないんじゃないかな、なんて思ったのです。
そんなわけで、作品テーマの部分にはちょっと不満も出てしまいましたが、漫画としてはやはり普通に面白い作品なわけですよ。
ただ、先述の通り、待っているのはとんでもない打ち切りエンド……。それも、ただの打ち切りじゃぁ、ないんだぜ。というわけで、流石に発売されたばかりですし核心のところは避けますが、最後、まさかの展開で終了します。いわゆる「おれたた」エンドはまだ良かったなぁと思えるようなラストなんです。
なのに、本の背表紙には「堂々完結!」なんて書いてあるのがまた良くない。「どこが堂々やねん!」とツッコミの叫びと手刀が虚空を掠めたのでした。
多分いろいろあったのだろう
きっとこの終わりは、誰も望んでいなかったものだろうと思うんですよね。何かがあったのだろうと邪推してしまいます。
- 本作もともとスタート時のタイトルは「結婚すると死んでしまうので、カンスト聖女(Lv.99)は飯テロします!」だったのが、1巻発売の前後で改題になった
- 仲倉千景先生のツイッターアカウントが削除されている
- (出版社が違うけど)「ずたぼろ令嬢は姉の元婚約者に溺愛される」の方は、途中で作者交代を受けている
- 2巻表紙も描き下ろしでなく、分冊版のときの表紙の再利用
もしかすると、編集部となにかトラブルがあって、やむなく打ち切りとなってしまったのか、とか、あるいはなにかやむにやまれぬ事情があって、仲倉先生が断筆されてしまったのではないか、とか……。
まあ、答えはないんですが、とにかく心配なところです。
一応、Pixivの方のアカウントは2巻発売告知が出されているので、お身体になにかあったとかではなさそうなのかな、と思っているんですが……。
「※ガンガンONLINEアプリに掲載されている分+書き下ろし4pのみの収録となります。ご注意ください。」という注意書きにはなにか含みを感じずにはいられないですね。
まとめ
色々言いましたが、やっぱりいちばんの問題はラストの描写というよりも「堂々完結!」の煽りのような気がしますね。
せっかくのオリジナルなのだし、ぜひどこかで続きを読みたい……そう思うささざめなのでした。
余談(ネタバレ注意)
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あのラストシーン、意図してなのかどうかはわかりませんが、「すべての時を巻き戻して、そもそもこの作品自体が生まれる前に巻き戻った」みたいな結末にも見えて、変に感慨深かったりもしたのでした。
ループした先の物語が構想にあったのかどうなのか……いつか、仲倉先生のお話を伺ってみたいですね。

