ささざめブログ

さめざめと語ります。日記、エッセイ、短編、感想、その他。

【感想】フェイクドキュメンタリー「Q」|『Q2:9 幽霊と話せる電話番号 - Telephone Number』

YouTubeにて配信されている大人気ホラーモキュメンタリー、フェイクドキュメンタリー「Q」の最新作シーズン2第9話『Q2:9 幽霊と話せる電話番号 - Telephone Number』の感想とちょっぴり考察を書きます。

本編

youtu.be

紹介・感想

前作の『MOTHER』から約7ヶ月。久しぶりの新作公開となりました。間にTXQ FICTIONの新作を挟んでいたりもするので、関係各所忙しいのだろうなぁと勝手に想像しているささざめです。

今回のテーマは「幽霊と話せる電話番号」。Qシリーズは、平成の頃に生み出されたホラーを復刻してくれているところがあると思いますが、こちらも懐かしい! リカちゃんにつながる電話番号とか、宇宙のパワー?を注入してくるおじさんにつながる電話番号とか、あと、貞子につながる電話番号なんてのもあった気がします。

インターネットで度々見かけたこれ、私はまだそのころ子どもだったし、気になるけど怖くてかけられなかった記憶がありますね。なんかすごい請求とかきたらどうしよう、みたいな恐怖もあったし(笑)


閑話休題。実際の本編ですが、重厚なBGMとともに映し出される掲示板の映像から始まるところで、旧作「隠しリンク」のことを思い出しつつ、ワクワクのスタート。

登場する映画監督の村上さん。飄々とした語り口調は、まさに自主映画とか撮ってる映画監督!って感じでリアリティがすごい、と思ったのですが後で調べてみるとそれもそのはず。この方、ガチの映画監督でした。怪談新耳袋でも作られてる方となれば、その道のレジェンドの一人ですね。

そして出してくる当時の作品。ここの再現も、まさにという感じで、当時人気のあった短編ホラー(本当にあった怖い話シリーズ等)の雰囲気がすごく出ていて素晴らしい。

やってることも、ただ単に知られた電話番号にかけるんじゃなくて、こっくりさんに聞くっていう捻りいれてるのがまた良くて、それだけで「ヤバそう」感がグッと高まりますよね。

ホラー表現はめちゃくちゃマイルドだし、ちょっとチープで抜けてる感じもあるけれど、ゾッとする部分もしっかりあるっていう良い作品でした。


そんな映像作品はあくまで導入の仕掛けで、ここからが本番。

幽霊と話せる電話番号として、実際に監督の番号を公開したというイカレエピソードが話されます(これ、よく考えたらつい最近「イシナガキクエ」でも似たようなことやってましたよね)。

会話が成り立ったことはないというその電話の中にあった、気になるメッセージ。このあたりから、Qらしさがどんどん高まっていきます。文字と音声だけで不穏なシーンを作り出すのがあまりにも上手い。シーズン1の「深夜の不気味な留守番電話」でも描かれてましたが、留守番電話というもの自体がやっぱりホラーの道具として良いんでしょうね。

更に続く、「心霊ドキュメンタリーVHS」でも、良質なホラードキュメンタリーが流れて、Q制作班の本領発揮なシーンの開幕でした。

山中に脱ぎ散らかされた衣服は嫌でも「怪談」を思い出させられます。そこに人がいたという確実な形跡と、服を脱ぎ捨てたという理由のわからない行動が恐怖を増幅させますよね。

山というロケーション、Qシリーズでは何度も登場していますが、やはり山には根源的に恐怖をもたらすなにかがあるものなのでしょうかね。


そんな山中にぽつんと現れる廃屋。これがまた怖い。よくこんな場所見つけてくるな、と関心しちゃう。

子どもが描いたような稚拙な絵と、恐ろしいメッセージの書かれたチラシが気持ち悪さを加速させます。この手の作品お約束の「~とでも言うのだろうか」シーンに和みつつ、早速例の電話番号に電話をかける男性の度胸に感服。ホラードキュメンタリーのディレクターはネジが飛んでないとね。

そこで話は繋がり、謎のメッセージの真相が明らかに。なるほど、そういうことか、と腑に落ちた状態で聞かされる新たな録音メッセージがいやなことこの上なし。その音は、なにを、なにをしてるのー!

そんな叫びを上げつつ、最後にもう一度村上監督のインタビューに戻り、あの電話番号に電話をかけて……。

最後の〆は、氏の作った作品と奇しくも同じ結末に……というあまりにも上手いフィニッシュ。すげぇもん見させられたという他ないですね。

場外の仕掛け

映像的に、十分に情報が提示されて、恐怖もしっかり味わったんですが、実はまだ仕掛けが続いていたりします。というのも、映像に登場した村上監督、X(ツイッター)上で、インタビューのその後を投稿されているようなんですよね。

しかもこれ、映像が公開される少し前からやってるのがまたすごい(笑) なにも知らずに見て何事かと思った人もいたのでは(笑)

あとから見た人用のURLも一応残しておきます。怪しげな祭壇、なにもない山中、314、謎の音声などと、こっちも盛り沢山でゾクゾクきます。

あとから検索する用のURLを置いておきます(日付部分は飛んだ先で調整してください)。

https://x.com/search?q=from%3A%40murakenkawaguti%20since%3A2025-03-28%20until%3A2025-04-01&src=typed_query&f=top

やっぱりあそこに?

Qシリーズを共通して描かれていることですが、共通する概念として登場する「インフェルノ(地獄)」が今回も登場しているように思います。

私これ、なんで「インフェルノ」なのかなぁと思っていたんですが、ダンテの神曲の地獄篇・Infernoから取っているのだと気づきました。ダンテが地獄に入るのも、迷いの森から、という流れらしいんですよ。なんか、まさに、だなぁと。

第一シリーズラストで描かれた「フィルムインフェルノ」なんかはまさにその「地獄の内部」を撮影に成功したような映像だったのではないかと思うのです。

一方第二シーズンでは、その地獄に行くまでの過程が描かれているケースが多いのではないかと。あくまで勝手な推測ですが……、

  • ノーフィクション:地獄に導かれる最中にある女性(あるいは導いた女性?)
  • プランC:地獄に入り込んでしまった人々の音声
    • (basement):地獄に到着する瞬間
  • 怪談:人々を地獄に導いた男性のその後
  • 隠しリンク:地獄に至るための儀式

で、本作も同様にこじつけて考えてみると、これもやはりあの電話番号が地獄に至るための道筋の一つだったわけですね。

最後の声をそこに届けようと電話をかけることで、インフェルノへの道が開かれてしまう。インフェルノに入ると、とてつもない恐怖や苦しみを味わうことはプランCの音声などで明らかになってますから、同じことを味わった人の怒りや叫び声があの留守電電話に残されていたのかも、なんて思うのでした。

まとめ

本作も30分と大ボリュームで、満足しきりでしたね!

TXQ FICTIONシリーズも盛り上がっていて、Qシリーズは少しペースが落ちている現状ですが、やはり何度見てもQにある重厚な雰囲気はたまらないです。不快で胃がキリキリと痛むようなこの感覚がやみつきになりますね。

今回は特に、やっぱりあの映像作品が良かった! 心霊ドキュメンタリーの再現じゃなくて、こっちもできるのかぁ~と唸ったのでした。

そろそろTXQ FICTIONの第三作も来そうなんて噂もありますし、Q第二シーズンもそろそろ大詰めという感じですし、色々と楽しみなささざめでした。


ちなみに、幻冬舎さんのところで、Qの連載エッセイなんてのも始まったらしいです。こっちも必見ですよ。

www.gentosha.jp

余談

  • ボイスメールのファイル名、なんかありそうだったんですが、これというこじつけが思いつかなかったので書きませんでした(笑)
  • あの話を知ったうえで、あのボイスメール残したままにしてる監督、やばいですね
  • Qシリーズの撮影者(作中でこのドキュメンタリーを作っている人)、最後もわざわざあの電話かけさせるし、やっぱりこの人自身が「地獄へ導く者」っていう感じしますよね。お前の目的を言え!ってずっと思ってます