ささざめブログ

さめざめと語ります。日記、エッセイ、短編、感想、その他。

傑作だけど、不満も多いカードゲーム型ADV『Inscryption』

INSCRYPTIONのロゴ。

ゲーム日記です。

めちゃめちゃおもろいらしいと聞いて

2021年リリースで、Steamでは圧倒的好評な大人気ゲーム『Inscryption』。実は、数ヶ月くらい前までさっぱり存在を知らなかったんですが、YouTubeでたまたまこのゲームの動画を見かけまして、なんでも「絶対になんの情報も入れずにプレイしたほうが良い」みたいな作品だというので、そうまで言うなら自分でプレイしようじゃないかと、なんの情報も仕入れずにいました。

で、つい最近プレイする機会がありましてね、ようやくプレイしてとりあえずクリアまで到達したというわけ。

確かに言われていた通り、なんの情報もなくプレイしたからこそ得られた驚きがあったし、興奮したのも事実ですが、一方で消化不良でちょっと残念だったところもチラホラありました。

ゲーム性としては、2021年前後で大流行していた「デッキ構築型ローグライク」の体を取りつつ、脱出ゲームやADVゲームの要素を借りて、ホラーの雰囲気も持たせた意味深考察ゲーという感じ。

なんにせよ、兎にも角にも作品の根幹のストーリーのところで、何も知らずにプレイを進めてほしいのは事実なので、自分でやってみようという意欲のある人は是非DLをオススメしますよ。

ここからはネタバレを含みます。

最高の序盤

なんの説明もなく唐突に始まるゲーム。渡される貧弱なカードで突き進んでいけば、必然的に敗れるものの、繰り返す死のたびに強くなる実感を得られるゲームバランス。

もう何につけても、この部分の出来が良くて、ここだけ見れば大傑作です。そりゃ人気出るわって感じ。

ゲームデザインが秀逸なところに、ダークな雰囲気と脱出ゲーム的謎解きパズルという組み合わせも新鮮で、このゲームの良いところが本当に詰まっている序盤でした。

正直に言うと、ナイフを使わなければいけないことに気づかず(めっちゃ痛そうだったので、使ったけどリセットしちゃった)、無駄に2周くらいしちゃったんですが、最後の仕掛けにも気づき無事突破。

ゾクゾクの中盤

そんな最高の序盤を抜けたところで、急激に展開する物語。突然見せられる実写パートに「Her Story」みたいなやつだったのか!とこれまた驚愕。

この急激なゲーム性の転換は、かなり興奮しましたね。なるほど、こういうのがあるから何も調べるなっていわれてたんだな、と納得でした。

ただ、そこから徐々に勢いは失速していき……

失速の終盤

ADVパートで一時興奮は覚えたものの、なんだか締まりの無い実写を見させられたり、新たなシステムでのカードゲームが、最初のやつと比べて面白みが劣るシステムだったりでちょっと失速気味な中盤~終盤なのでした。

バラバラのシステムが組み合わさるというところに、このゲームの本質的な部分があって、確かに面白いんだけど一方で「めんどくさい」が勝っちゃう部分もあったんですよね。

最終盤は特に、ストーリー展開がメインで、カード戦略のところも弱く、ちょっと期待外れだなぁと感じてしまったのでした。

そして何より、あの結末……。なんか、もっと壮大で感動的な何かが待っているかと思っていたのですが……。

きっとコレは序章で、ここから再度なにかがあるのだろうと思ったんですが、ちょっとどうも一筋縄ではいかなさそうというところで、私はここまででいいかな、と思ってしまったのでした。

なんか色々あるらしい

クリア後、軽く調べてみると、どうもこれってARG(代替現実ゲーム)の要素があって、現実世界も巻き込んだ謎解き要素があったみたいですね。向こうの人達、ARG大好きですからね。Cicada 3301みたいな。

で、その核心部分について触れてる記事もいくつか読ませてもらいましたが、流石にこれはちょっとやりすぎだわ、という感じ。それなのに得られる対価(体験)も微妙そう。というところで、序盤に感じたあの感動が、どんどんスポイルされてしまった感じがあったのでした。


色々不満を並べてしまいましたが、とはいえ、まずは作品の独自性、アートワーク、ゲームシステムなどに目を向ければ、圧倒的好評価なのはうなずける作品でした。現に、一気にエンディングまで駆け抜けてしまいましたからね(笑)

中盤以降の展開にこそ不満はありますが、インディーゲームとして、圧倒的な完成度なのは間違いないと思います。

ゲーム好きな人には、一度はプレイしてみてほしい作品なのでした。