
福満しげゆき著『僕の最後の失敗』を読んだので、感想・レビューを書きます。
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紹介・感想
ネガティブを書かせたらこの人の右に出るものはいない、というくらいな異才を放つ漫画家・福満しげゆき先生。
『僕の小規模な生活』や『うちの妻ってどうでしょう?』といった、エッセイ漫画が大変人気で、かくいう私も、福満先生の書く「妻」が大変好きで、すっかり魅了されているタイプの人間です。
漫画家になるべくして生まれた人だと思っているのですが、どうにも才能溢れるすごい人、という感じがあんまりしなくて、あまりにも等身大なところがいいんですよね。
直近では、回を増すごとにムチムチ度が上がっていっている気がする愛らしい妻と、二人の息子の育児生活を描いた『妻と僕の小規模な育児』も人気。でも一方で、話題になった『ひとくい家族』は断筆状態だったり、『妻観察日記』の方は打ち切りになったり、といった状況から、先生の中の不安がふつふつと増大して……という状況で書かれた作品群になったのが本作なのかな、と想像しています。
今回は直近の漫画と比べると、福光先生の心境にかなりクローズアップした感じで、今までの人生を振り返りつつ、あれやこれやとネガティブを吐露しつつも、この先どうしていくかという点で前も向いていくような作品。
「僕の最後の失敗」というタイトルは、果たして悲観的な内容なのか、逆に楽観的な内容なのかとわからないような感じでしたが、表紙の装丁と同じく、光あれば影があるというような内容で、正直かなりグッと来ました。なんか、ほんと、この「福満しげゆき」というひねくれネガティブ人間も、家族を持ち、歳を取り、行き着いた先がここにあるのだな、と感じさせられるんですよね。
考えすぎだよ!と笑いながらツッコミたくなるところもあれば、なんとなく理解できるなぁと納得できるところもあって、未来への不安と、同時にある「なんとかなるか」という感覚が同時に去来する感じはまさしく人間心理そのもの。これはやっぱり、この人にしか描けないリアリティのような気がします。
先生の昔の漫画は、読んでるとどんどん鬱々としてきて、読んでるだけで胃がムカムカしてきて読むのをやめてしまう、なんてこともあった気がするのですが、今巻はかなりさらりとした読み味。
おとなになった余裕なのか。あるいは諦めなのか。いずれにせよ、私としてはこの感覚は「心地いい」ものでした。
突然の笑顔と、唐突に差し込まれる妻が良いですね。やはり。
なんか、福満しげゆき漫画を読むと、人生とか、家族とか、愛とか、なぜか不思議とそういうものに思いを馳せてしまいます。今回は特にそんな作品でした。
まとめ
「なにもないから妻漫画なんてものを書いたんだった」という気づきも描かれるのですが、やっぱりこの人の描くエッセイは唯一無二ですよ。
これが最後だ、なんて思わずに、ぜひまだまだ書いて欲しいですね。まあ、それもこれも出版社がつかないことには、なのかもしれないけれど……(笑)
なんなら、noteとかで売ればそれだけでそれなりに生活できそうじゃない? なんて思ったりもするささざめでした。
