ささざめブログ

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【漫画】読む側の力も試された気がした『ギルドのチートな受付嬢(全8巻)』の感想

夏にコタツ 原作、八月明久 著『ギルドのチートな受付嬢』を読んだので、感想・レビューを書きます。

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紹介・感想

モンスターコミックスさんの、Kindle Unlimited対象で全巻読めちゃった漫画を連日紹介中のささざめです。

今日読んだのは『ギルドのチートな受付嬢』という作品。つい最近アニメをやっていた受付嬢無双がありましたね。きっとその類の物語でしょう。

……と、思いながら読み始めてみると、確実に面を喰らいます。これはかなり壮大で、難解さもある、とあるギルド受付嬢の物語。


まず、1巻開幕。日本の成人男性が転生した、という事前の設定だけが共有され、次の瞬間には物語はギルドの受付嬢として活躍する主人公の姿に。

もうここからすでに読者は篩にかけられます。殆ど説明のないまま。主人公がどうやらかなりの実力者で、過去に多くの人を既に助けていて慕われているということはわかる、みたいな感じで進んでいきます。

いわゆる「後日談系」の要素が強くて、そのかつての栄光の部分は想像で補うことを求められます。

それに、主人公も基本的には自分が動かないタイプ。多くの場合、問題を解決するのは別の人で、主人公は表には積極的に出てこず、誰かへの助言・サポートで手助けするというスタイル。

そんな感じなもんですから、かなり読む側の適性を求められる気がします。正直、1巻でちょっと離脱しかけちゃいました。


でも、読み進めていく中で、底しれぬ主人公の強さの秘密とか、緊張感のある事件の動向とかに魅了されて、気づけば終盤まで読み切ってしまったのでした。

最終盤では主人公の出自が明かされ、なぜ彼女が自分の力をなるべくさらけ出さずに生きているのか、そしてどうやってその力を得たのかが明かされます。

なんかかなりスケールの大きな話になっていって、インターステラーみたいな要素も出てきて、世界観の深みを見せつけられました。

過去編は全編緊張感があって、どうやってこの状況を打破するのかと不安を抱えさせられつつ、主人公の覚醒によるカタルシスが味わえますよ(まあ、後味はさておき……笑)。

まとめ

正直、かなり人を選ぶ作品なのは確かなのですが、しっかりと作り込まれたファンタジー世界観の中で、ひっそりと生きるチートなギルド受付嬢の存在は、なかなか個性的で味わい深い作品だったと思います。

その余白を想像するのも楽しいと思うので、そんな奥ゆかしさのある人にオススメな一作なのでした。