ささざめブログ

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【漫画】人柄と 平凡スキルで 生き残る『千のスキルを持つ男 異世界で召喚獣はじめました!(全10巻)』の感想

長野文三郎 原作、しぶや大根 著『千のスキルを持つ男 異世界で召喚獣はじめました!』を読んだので、感想・レビューを書きます。

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紹介・感想

こんばんは。今日も今日とて、Kindle Unlimitedで全巻読み放題だった漫画の感想をあげちゃうささざめです。

今日読んだのは『千のスキルを持つ男』という作品。連日上げていたのはモンスターコミックスさんの作品でしたが、こちらはコミックポルカさん。異世界系に強いところですね。

こちらも例に漏れず、異世界転生系。全10巻、物語がきれいに完結するところまで描かれます。


主人公は、冴えない中年サラリーマン、といったところ。転生で若返る……というパターンではなく、そんな彼が突然異世界に召喚されるところから始まる物語。勇者として、とかではなく、なぜか「召喚獣」として召喚されるなど、結構珍しい設定が多い気がします。

異世界系にも色々と設定のテンプレがありますが、こちらは異世界転移モノで、かつ、現実と(比較的)自由に行き来できる系で、現実世界の物品を異世界に持ち込んでちょっと無双するタイプの作品。

でも、作品全体を通して、あからさまな無双をするのではなくて、終始落ち着いた雰囲気で、現実的なラインを維持しつつ進行していくところが好感を持てたポイントでした。

タイトルの「千のスキル」も、てっきり最強チート三昧な話なのかと思いきやそうでもなく、主力となるのは「勇気」と「麻痺」という序盤に手に入るものくらいで、あとはなんだか役に立ったり立たなかったりと微妙な能力ばかりが手に入る。

なので、チート無双!みたいな感じは薄くて(ないわけではないけど)、しっかり物語で牽引していく作品だったように思いました。それはそれとして、毎回ランダムに手に入るスキルの内容もワクワクするし、やっぱり良い仕掛けだとおもいます。


そんな感じで、無数にある異世界系作品の中でも、なかなか色を持った本作。ストーリーの主軸となるのは、現実世界の妻に浮気をされている疑惑のある主人公と、そんな彼の主となった女騎士様とのプラトニックな関係性。

なんか最近、お色気要素の強い漫画をよく読んでいたので、ちょっと新鮮な気持ちになったのでした(笑)

その他、主要な登場人物たちがそれなりに理性があって、ストレス少なく読める一作だった気がします。

まとめ

全体的に落ち着いた雰囲気だし、現実世界から普通に同僚は連れて行っちゃうし、憎き妻のこともサラリと流しちゃう。

なんだか、「大人の余裕」を感じさせられた異世界冒険譚でした。無双!復讐!ざまぁ!みたいなのは嫌いじゃないけどちょっと飽きてきたな、なんて人におすすめしたい一作かもしれません。