
レオナールD 原作、東里桐子 漫画『悪逆覇道のブレイブソウル』を読んだので、感想・レビューを書きます。
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紹介・感想
厨二病を患った多くの人は、ただの正義に塗れた勇者よりも、影と闇のある性格の悪い男に憧れるというもの。
というわけで本作、『悪逆覇道のブレイブソウル』は、まさにそういうタイプの男……だったはずの男が主人公というわけ。すみません、変に含みをもたせると訳解んないですね(笑) ちゃんと具体的に書きます。
本作は、架空の人気R18ゲーム『ダンジョン・ブレイブソウル(ダンブレ)』の世界を舞台にした、ゲーム世界転生系のファンタジー作品。主人公の青年は、ある日突然、ダンブレ世界に転生するわけですが、転生した先がダンブレ2の主人公であり、NTR上等の悪逆非道を尽くす最悪の極悪主人公・ゼノンだったという展開。
クラスメイトや周囲の人間からは恐怖の対象として、腫れ物扱いされてしまう主人公が、原作ダンブレ2のバッドエンドを回避すべく、平和を目指して奮闘する物語となっています。
こうやって書き下すとあれですね。要するに、青年漫画版・悪役令嬢モノでもありますね。これ。
読んでいる間に頭に浮かんでいたのは、某ムフフなゲームシリーズでおなじみの「ランス」。まあ彼はもっとのほほんガハハとした、コメディよりの雰囲気をまとっているわけですが、アレをもっと極悪にした感じの男に転生してしまった、的な感覚だなと思っていました。
ちなみに、そんなにお色気展開はなく、なぜか作画もやや優雅な感じがあります。
悪逆覇道、なんて書いてあるもんだから、本当に「極悪主人公」として、非道を尽くす系の漫画なのかと思ったのですが、そうではないです。
むしろ、王道の成り上がり系作品的なストーリーではあるんですが、それでも隠しきれない主人公の悪役オーラとか、複数のゲーム世界が交錯する謎とか、可愛いけどクセの強い女の子とか、一つ一つの要素のレベルが高くて、一気に読み切っちゃう作品でした。
まあ、全3巻で、いわゆる「俺たたエンド」を迎えてしまうので、消化不良感が残るのは否めないのですが、鼻つまみモノだった主人公が受け入れられる展開までは描かれるので、気持ちよく読み切れたのでした。
まとめ
漫画の範囲では、転生の謎とか、世界観の謎とか、本来の主人公があの後どうなったのかとか、色々と気になるところをいっぱい残してしまうのがネックではありますが、少なくとも全3巻はきっちり面白く駆け抜けた一作でした。
原作小説の方も、昨年以降更新が止まっているようなのが残念ですが、多数作品連載されている作者様のようなので、こればかりは致し方なしですかね(笑)
なかなか魅力的な主人公だと思うので、ダークヒーローモノみたいなのが好きな人は是非読んでみては。
