
gulu 原作、染野 静也漫画、『現代でモンスター駆除業者をやってたら社長が赤字をなんとかするために無理をしたせいで社員のほとんどが死んだからずっと一人で仕事をしてたら凄いことになりました』を読んだので、感想・レビューを書きます。
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紹介・感想
こんばんは。秋のカドカワセール(?)やらなんやらで、また積み漫画を増やしてしまったささざめです。
というわけで、今日読んだのは、そんな角川コミックス・エースから発売されていた漫画、『現代でモンスター駆除業者をやってたら社長が赤字をなんとかするために無理をしたせいで社員のほとんどが死んだからずっと一人で仕事をしてたら凄いことになりました』。
すっごいですね。このタイトル。今まで見てきた作品タイトルの中でも随一の長さのような気がします。
ずいぶんと大仰なタイトルではありますが、実際のところのメインは、表紙の通り「モンスター駆除業者」。
某ジャンプラの怪獣漫画なんかを思い出させる設定ではありますが、こちらはもう少しリアル寄り。モンスターの存在が日常に侵食してしまったという世界観のなかで、ぽっちゃりで冴えない主人公が、零細モンスター駆除業者として戦う姿が描かれます。
主人公の特性がそのまま作品の特徴になっているんですが、かなり淡々としていて、登場人物がみんな大人なのがツボ。
主人公がめちゃくちゃ不当に罵倒されたり貶められたりみたいな展開があるでもなく、基本的にまっとうなんですよね。
まあ実際のところ、土台の世界観として、ちょっとあまりに一般人たちに危機感がないだろとか、公権力が無能すぎるだろとかっていうツッコミは思い浮かんじゃうし、諸々の出来事はちょっと現実離れしているんですが、作品特有の空気感のなせる業か、意外と呑み込めてしまう。
ちなみに個人的な推しキャラは、主人公に免許の更新をずっとオススメしてくれる役所のおじさん。おじさんがおじさんに信頼されている関係っていいよね、と思います。
そんな作品の中で描かれるモンスター駆除物語。ヒロインとの色恋沙汰が(漫画で描かれる範囲では)あるわけでもなく、あくまで淡々と、いっぱしの駆除業者としてモンスターと戦い、人々を守る、そんなぽっちゃり姿の主人公がなかなかに魅力的な一作でした。
周りに登場する人たちはめちゃくちゃ中二病設定なのに、主人公がああなのがまたギャップがあっていい(笑)
全体的に、ちょっと都合が良すぎる感じはあるものの、3巻で示されたキャラクターの魅力と、モンスターの恐怖と、それに対する人々の無力さとか理不尽さとか、そういうものが光った作品だったのでした。
まとめ
全3巻とサクッと読める作品。スロースタートですが、第三巻はなかなかの大災害が相手になります。
果たして最後の難敵をどうやって駆除するのか。というところで、漫画はきっちり綺麗に終わるので、読後感はかなり良しです。
大人のおじさんが、基本無理せず、たまに無理して頑張るお話です。まあでもやっぱり地味ではありますが(笑)
