ささざめブログ

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【漫画】壊れもの 直して愛す 醜男の矜持『小心者なベテラン中年冒険者と奴隷の狐耳少女(全4巻)』の感想

最上 原作、筧秀隆 漫画、『小心者なベテラン中年冒険者と奴隷の狐耳少女』を読んだので、感想・レビューを書きます。

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紹介・感想

おじさんが奴隷を買って、愛し合うことになるという青年漫画。結構性描写が多いので、苦手な方はご注意な一作。

推定40代のベテラン冒険者な主人公・ジーノ。今までの人生で唯一愛した女性は娼婦で、その女からもひどい暴言を吐き捨てられ、女性不信に近しい精神状態になってしまっている彼が、一大決心して向かったのは奴隷商人の館。そこで見かけた、見るも無惨な状況の狐耳少女を買うも、あまりにもボロボロですぐに食べたものもすぐに吐き戻すような惨状を真に受けて、そこから熱心に彼女を「直す」ことに執心する。人間らしさと同時に、二人の間に芽生えた関係性は果たして……。

といった感じのあらすじ。まあ時代が時代なので、多分見る人がみたらとんでもなく怒り出すんじゃないかというような物語ではあるんですが、コレも一つの純愛ものだよなぁという感じで、正直めちゃくちゃグッときました。なんなら、ラストで泣いちゃいました。


物語前半は、奴隷として購入したヨウコに性欲をぶつけることに対する喜びと罪悪感を同時に感じて葛藤する主人公がどうやってヨウコと関係性を作っていくのか、そして言葉話さぬヨウコは内心どう思っているのかが気になってずいずい読み進めてしまう一作。

主人公はずっと、かつてのトラウマと戦っていて、まっすぐに彼女を愛することができないわけですが、一方で彼自身がいかに有能で信頼のできる男も提示されていくので、ついつい彼の気持ちに寄り添ってしまうんですよね。

この手の作品って、主人公に感情移入出来ずに、苛ついてしまうことも多いんですが、本作はそうならずに読めたのでした。


個人的には、登場するキャラクター、ひとりひとりの感情をかなり大事にしてる作品のように感じていて、好感の持てた一作。主人公も含めてちゃんと大人が大人だなぁと。

主人公の葛藤が軽々しくは扱われなかったり、かつてのトラウマの元凶である彼女のその後も、簡単に消費するのではなくちゃんと熱を帯びたまま描かれた印象でした。

それぞれのドラマがありつつも、しっかり思いを貫く主人公がかっこよかったですね!

まとめ

全4巻で幕を下ろす作品なんですが、終盤、駆け足ではあるもののきれいに着地してくれて、めちゃくちゃ読後感のいい作品でした。

現代的な価値観で考えると歪んだ入口ではあるものの、純愛の物語だよなぁと思うのでした。なんか最後は感動しちゃった。

ただ普通にエッチなので、人には勧めにくいですね(笑)