
三月ゆか著、『黒龍さまの見習い花嫁』既刊13巻の感想・レビューを書きます。
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※2024/10時点で、最新刊は異世界マーガレット刊行の電子コミックスのみですので、紙コミックスをお求めの方はご注意ください。
紹介・感想
貧乏少女と龍神様。種族も身分も異なる二人が織りなすド定番ラブロマンス。
何でも屋の少女が、偽りの花嫁を演じるようにと龍神である黒龍様の元に呼び寄せられるところから物語は始まり、数々の龍と人との出会いを経ながら、本物の愛を育んでいく物語。
生きる時間が異なる人と竜の愛が描かれるという、人外恋愛ものが好きな人なら間違いなく楽しめるであろう一作。個人的に、『コレットは死ぬことにした』を思い出さずにはいられない作品でした(笑)
最初はただお仕事としてやってきた主人公も、黒髪イケメンの龍神様に気づけば恋。まっすぐ懸命に、龍と人と向き合う主人公に黒龍さまもほだされて、気づけば甘々関係に……。
黒龍さま意外の龍たちもイケメン揃い。読めばきっと推しが見つかる一作です。
なかなかの感動作
個人的には、主人公と黒龍さまの恋愛模様よりも、苦しみと悲しみの多い龍と人との関係性から生まれるエピソードが印象に残りました。
特に好きだった章が2つあり、1つ目は中盤から始まる黄龍さまのお話。
龍の力を宿しつつも、その力は先代のそれより遥かに弱く、庇護する民からすらも非難を浴びるというあまりにも不憫な黄龍さま。ビジュアル的に可愛いし、あまりにも優しいし、もう本作最大のヒロインといっても過言ではないお人。
ワーカホリック気味で、とにかく周りのために努力をしている彼が、主人公たちの力を借りながら意識を変え、周囲からの視線も変わっていく展開には目が潤みます。
もうひとつの章は、既刊終盤の、とある女性と龍の愛の行く末を描く話。
生命の長さの違う2つの種族で育まれた深い愛の行く末。けして斬新な物語ではないのですが、丁寧に、美しく描かれたこのエピソードはたまらなく好きでした。
彼女がすごく強い女性だったのがまた良かったですね。悲しくも、感動的でした。
まとめ
刊行のされ方が特殊(?)で、ちょっと見逃されちゃってそうな一作でした。Amazonのレビューも、紙版で出てたときのほうにだけ残ってて、異世界マーガレット版の電子にレビューがついてないので、評価が見えにくいですね。
物語としての完成度が高く、世界観も魅力的で、読んで損はないです! 高貴な存在の人外恋愛モノが好きなら是非。
