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【漫画】想像以上の壮絶物語『転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ』(既刊6巻)の感想

雨宮れん原作、サカノ景子 キャラクター原案、池知奈々著『転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ』(既刊6巻)を紹介/レビュー。

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紹介/感想

異世界転生グルメものも色々と読んできたが、今作は主人公がまだ幼い王女様な設定のお話。タイトルからは、転生知識で現代お料理レシピの再現をしてまったり王城で楽しく暮らすスローライフなお話なのかな?と思ったのだが……。

蓋を開けてみると、これはなかなか壮絶でシリアスで、一筋縄ではいかないタイプのお話。グルメ要素はちょっぴりアクセント程度で、メインとなってくるのは、政敵から狙われ続ける王女周辺の人々と、年齢が離れていることで恋をあきらめようとする主人公の苦難のお話。

愛らしい主人公なのに、継母からは暗殺されかけるわ、たどり着いた先では毒を仕掛けられるわ、もう見ていられないほど。しかも、身内の裏切りみたいなのも続々。とてもタイトルからは想像もつかない重厚ストーリーだ。

そんな感じで、面は食らうものの、優しくも芯の強い主人公や、その支えとなる周囲の人々は温かく、読み進めるほどに思い入れが強まるキャラクター作りだった。特に主人公の侍女・ニイファは主人公に無償の愛を与えてくれるような存在で、彼女の幸せを願ってならない(あまりにも献身的なので、後で実は…という展開があるのでは?という邪推もしてしまうところだが笑)。

まとめ

ちっちゃくて可愛くて健気な主人公・ヴィオラの受難もさることながら、その周囲の人々も皆苦労している大変な作品。辛い展開の一方で、多くの優しさ(と企み)が溢れていて、中々先が読めない一作だ。

最新6巻ラストには、また一波乱を思わせるような展開が描写される。まだまだ先が気になるところである。