ささざめブログ

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【漫画】私が王を目指します!『悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く』(全3巻)の感想

雨宮れん原作、赤羽にな漫画『悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~』を紹介/レビュー。

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紹介/感想

死に戻り系悪役令嬢モノ。

破滅ルートを回避すべく、過去改変のため奔走するという展開はよくある内容。ただ、より完璧な安全を求めた主人公が目指すのは「王」の位。
そんなところが特徴となるのが本作。まあなんにせよ、芯が強い女性主人公で安心して読める内容だった。


全3巻で完結するため、事件らしい事件は数えるほどしか起きず、目新しさはあまりないのだが、頼りないと切り捨てていた第二王子が逞しく育ちゆくさまと、その愛に絆されていく主人公が丁寧に描かれるため、読後感は悪くはない。

強い女の話が大好きな私的には満足の一作なのだが、もっと強く、王子も尻に敷かれるんだろうなぁという未来を見せてほしかったものなのだが、ちょっと物足りないとも感じてしまった。


個人的に良かった点は、侍女ソニアが少女メイドの姿を披露するのだがこれがまたべらぼうに可愛い。本作最大の魅力はこのちびソニアにあるといっても……いや、これは流石に過言だ。

というか、ちびっこたちが全体的に可愛い。蘇った主人公の幼少期、私が皇帝になってやるわと息巻く姿や、父親に「ティーナは今日八歳になりました(えっへん」と言っているコマがめちゃくちゃ可愛い。
あと、弟のハイラムがドレスの布を選んでコロコロしてるコマも可愛い。

ちびっ子たち以外も、二度目の人生で主人公の周りを囲む面々は皆朗らかで優しい人々であるためなかなか癒やされる漫画だ。


終盤は駆け足で、やや拍子抜けな感は否めないのだが、逆に言えば3巻でサクッと、スッキリするところまで描かれるのはプラスなポイントでもあるだろう。あっさり楽しみたい人にはうってつけの作品だ。