ささざめブログ

さめざめと語ります。日記、エッセイ、短編、感想、その他。

【漫画】モブ令嬢は生き残りたい『転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~』(既刊3巻)の感想

江本メシマサ原作、雪子 キャラクター原案、橘ミズキ著『転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~』(既刊3巻)を紹介/レビュー。

(購入はこちらから)

紹介/感想

転生したら〇〇でした。剣だったり、皇帝だったり、スライムだったりと色々あるけれど、こちらは、乙女ゲームのモブキャラだったパターン。モブが主人公と言えば、某人気作『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』も彷彿とさせられますが、それとはまた違った雰囲気で、温かみの多い漫画でした。ラブコメ的要素もあってキュンとくる場面もありつつも、基本的には物語展開とモフモフの可愛さに後押しされて先が気になっちゃう作品。

主人公・グレーテは、現世で幸せに暮らしていた少女。彼女が転生した先は『魔法学校のエーデルシュタイン』なる乙女ゲーム世界の令嬢。破滅を迎える予定の学園に通う一モブ生徒だった彼女は、破滅を避けるために、通う予定だった騎士学科から離れ、別校舎にあるという薬学科へと転科を決め、そこから運命が大きく変わっていくという展開。

薬学科に進んだグレーテは、そこでゲームには登場しなかった美形薬師・アルノルトと出会い、共に歩んでいくことになります。このアルノルトが、イケメン・甘党・ぶっきらぼう・でも優しいと、魅力たっぷりでかっこいい先生として描かれるので、推せる! 頼りになる! 復習に燃えている感じも、完璧じゃないかんじが魅力に見せますね。

アルノルトだけでなく、ゲーム主人公である平民の少女・二コラ、悪役令嬢役のフロレンツィアとも仲良くなった主人公。よくある嫌な展開というのは殆どなく、むしろ優秀な主人公の力で周囲にいい影響をもたらしていく展開が気分が良く、一気に読み進められる漫画でした。

クセになるモフモフたち

従魔、契約妖精といったモンスター使役の概念がある世界。やはりモフモフはこの手の異世界作品にはつきものですね。

主人公の従魔はどう見ても日本犬。でもなんだか可愛いような可愛くないような絶妙な味わいがあるデザインで、心がくすぐられます。妙に愛着がわいてくるんですよねw

圧倒的に可愛いのが、アルノルト先生が契約するネズミ精霊のネネ・ズズ・ミミ。『コレットは死ぬことにした』のケル・ベロ・スーみたいだな、なんて思いつつも、そのきゅるるんきゃわわの雰囲気に、出てくるたびに癒されます。

彼女たちだけのエピソードが読みたいくらい可愛いですし、なにより彼女たちの作る食事やらお菓子やらがどれも格段に美味しそうなのがまたナイスです。

二コラとフロレンツィアが使役することになる従魔も、可愛いんですが独特なデザインで癖になります。

まとめ

よくある令嬢ラブコメ的な面ももちろんあるのですが、単純に恋に落ちる感じでもなく、結構しっかり事件を追いかけて解決していく過程が描かれて好印象な一作でした。

主人公が一切フラグに気づいておらず、殆ど甘い雰囲気が出ないまま第三巻まで駆け抜けていきましたねw

第三巻ラストは、え、まさかもう完結!?とおもったのですが、作者様の連載状況見る限りではまだ続いている模様。

学園を卒業した主人公たちのその後がまだまだ読みたいところです。