千石かのん原作、駒田ハチ キャラクター原案、笹原智映著『落ちこぼれ白魔導士セシルは対象外のはずでした』(既刊2巻)を紹介/レビュー。
(購入はこちらから)
紹介/感想
落ちこぼれとして扱われていた白魔導士の主人公・セシル。ある日出向いた貴族のパーティーで、最高峰のイケメン騎士公爵・オズワルドに解毒薬をぶっかけてしまう。大変な粗相をしでかしたと、その場から脱兎のごとく逃げ出すセシルだったが、あれよあれよという間にオズワルドに捕らえられ、彼の自邸へと連れ去られる。その後、彼のある傷を癒すためセシルは彼専属の白魔導士となるのだが……。
よくある騎士様純愛系ラブコメかと思いきや、主人公の性格が突き抜けた勢いのあるコメディ強めラブコメ、と見せかけて結構がっつり大人向け描写もある純愛TLものというかんじで、不思議な読み味のある一作。
序盤は、主人公の繰り出すそれがもう笑えて来ちゃうくらいのマシンガントークで、クレヨンしんちゃんじゃないだからというくらい顔をつかまれほっぺをつままれしているシーンが最高でした!
原作小説第一巻をコミックス2巻分にぎゅぎゅんと凝縮しているそうなのですが、そのコミックス第一巻終盤から急展開。甘々どころじゃないエッチな展開がやってきます。え、そういう漫画だったの!と驚きの声が漏れるほど。そして中々に大胆。いやまあ、中盤当たりのキスシーンから既に、なんか早くね?とは思っていたんですが、まさかここまでとは……。
そんなわけで、やや読者を選びそうな本作ですが、漫画表現は上手いし、主人公をはじめとした周囲の人物のキャラは立っていて魅力がたっぷり。設定も悪くないし、なによりヒーロー役となるオズワルドがかっこいいので、少女漫画?レディコミ?としてはなかなかのクオリティなんではないでしょうか(当方男性読者のため、経験値がなにぶん少なく、比較はあまりできませんが)。
個人的には、序盤のドタバタハイテンションで振り回し振り回されるセシルとオズワルドの凸凹対象外コンビがもうちょっと見たかったのはあるのですが、まあでも二人の愛が深そうなので、まあいいかなという感想でした。
二巻できっちりと最初のエピソードが終わるので、これで完結だろうかとおもったのですが、第三巻からは原作小説第二巻のエピソードが語られるとのこと。
ここからまたどんな展開で、二人をイチャコラさせるのかは気になるところです!
まとめ
意外性の多い本作。元気に治療に専念する主人公のキャラクターがとにかく魅力的なので、まずはそこから楽しんでほしいのですが、その先にある甘々展開が楽しみな読者も満足な一作なのではないでしょうか。
それにしても公爵様、やっぱりちょっと大胆すぎるよ……。そんな刺激の強い一作でした。