榛名丼原作、さらちよみ キャラクター原案、迂回チル著『悪役令嬢と悪役令息が、出逢って恋に落ちたなら ～名無しの精霊と契約して追い出された令嬢は、今日も令息と競い合っているようです～』(既刊3巻)を紹介／レビュー。
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紹介／感想
悪役令嬢ものが、世を席巻した昨今ですが、次に来ているのは悪役令息ものだというもっぱらの噂。私が、悪役令息デビューとして読んだ作品がこちらの『悪役令嬢と悪役令息が、出逢って恋に落ちたなら』、通称アクアクでした。
冒頭は至ってシンプルに、悲しい過去を持つ悪役令嬢・ブリジットが第三王子に婚約破棄されるところからスタート。失意の底にいる彼女に追い打ちをかけるように浴びせかけられる陰口。みじめな思いをする彼女が見かけたのは、件の王子と言い合いをする黒髪で凍てつく視線の美少年。彼こそが本作のヒーロー・悪役令息のユーリ。
もうとにかく全編通してユーリがかっこいいです。普段は寡黙で、性格が悪そうなのに実は面倒見が良くて優しい、男気もあって余裕を感じる佇まい。完璧な男です。
そんな彼と立ち並ぶべく(?)、主人公も努力を積み重ねるのですが、そこをしっかりとユーリは見守っていて、主人公を素直に認めてくれる存在になっていくところは熱さもあってとても楽しめます。
どうやら主人公の力にも隠された秘密があるようで、第三巻ラストでは可愛いショタっ子も出てきて、なにかここからまた動き出しそう！というところで次巻へ。早く続きが読みたい！
そんなワクワクな展開とユーリのかっこよさが堪能できる一方、ブリジットのトラウマや、リサや第三王子たちによる苛烈ないやがらせ（リサも可哀想にも見えますが……）など、結構キツイ描写も多め。単なるラブコメというよりもややサスペンス的緊張感も感じられる一作でした。
第三王子・ジョセフがとにかく捉えきれない悪役っぷりで、このあともまだまだブリジットとユーリの前に立ちはだかってくるのでしょう。果たして彼の思惑がなんなのかが今後のキーになってきそうです。
まとめ
ユーリがかっこよすぎて、男性読者視点でもときめいてしまいそうなくらいなくらいで、悪役令息デビューにはピッタリな一作でした。
いやまあ、あまり悪役っぽいところも見てないというか、そもそも悪役令息ってなんなの？という疑問はさておきつつ、主人公とユーリの関係性・主人公の力の秘密・第三王子の思惑と、気になるところがまだまだいっぱいです。続きが楽しみですね。
