星彼方原作、水辺チカ漫画『悪食令嬢と狂血公爵 ~その魔物、私が美味しくいただきます!~』を紹介/レビュー。
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紹介/感想
また新たな「悪役令嬢」か……ん、よく見たらこれは……「悪食令嬢」⁉
今回紹介するのは禁忌とする人もいる魔物を喰らう行為「魔食」を愛する主人公と、狂血公爵として恐れられた最強公爵様の物語。
魔物食文化というテーマの物語はよく見かけるが、それを悪食令嬢という完結で完璧な表現に落とし込んでいる作品だ。
漫画としても、原作を読んでいないためその程度は測りかねるものの、信じられないくらい丁寧なコミカライズという印象。既刊6巻までの範囲だけでも、非常に濃密ながら繊細なストーリーを味わうことができた。
最初タイトルを見たときには「令嬢版トリコみたいな話かな?」と思ったのだが、蓋を開けてみると、主人公が単に食趣向で悪食なのではなく、強い信念と希望を持ってそれをしているのがわかり、共感できる物語だった。
令嬢モノの例に漏れず、胃もたれしそうなくらい甘々な公爵様も可愛らしく、良くも悪くも「狂血設定はどうなってるんですか!」と言いたくなるほどである(笑)
やはり、信念のあるキャラクターは格好良いと感じる一作であった。魔物食を研究し、悲しみの再来を防ごうとする主人公。自らの存在価値を戦いつづけることに見出している公爵様、それらに仕えるさまざまな人々。どれも魅力的に映るものである(特主人公3人の護衛を担当することとなる3人組も大変見目麗しくも可愛らしいのでお気に入りだ)。
モンスター造形もなかなか優れていて、既刊終盤はもふもふ要素も登場して、なかなか隙がない。
まだまだ波乱の展開が待っているであろう本作。ぜひ長く続いてほしい作品だ。
(余談1)
公爵と伯爵令嬢では身分が釣り合わない!という描写があるのだが、そんなものなのだろうか?
個人的な感覚としては、伯爵も十分家督が高いイメージで逆に違和感が……。
(余談2)
意地悪継母、なかなか憎みきれないというか、彼女なりの苦悩とかが隠されてそうなキャラでちょっと気になる存在だった。
漫画としてはもうしばらくは登場機会なさそうなのが残念だ。
(余談3) Amazonで「悪食令嬢」で検索すると、勝手に「もしかして:悪役令嬢」で悪役令嬢が検索されてしまってちょっと笑った。出版側は笑えないだろうがw