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【テレ東】TXQ FICTION第三弾『魔法少女山田』|第二夜の感想

TXQ FICTION第三弾。テレビ東京にて、放送が始まった『魔法少女山田』の第二夜についての感想です。

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前回の感想

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(以下、ネタバレ注意です)

やっぱつれぇわ……

「唄うと死ぬ歌」をテーマに始まった、ホラー・フェイクドキュメンタリーTXQ FICTION第三弾。

前回、その気味の悪い歌と、トム・ブラウンが出演するポップなバラエティ番組映像、新たな謎を提示して、しっかり引きを作って終わったところから。第二夜は前回の予想通り、件の問題人物・山田の姿が収められたという自主制作映画「魔法少女おじさん」の映像がメイン。

内容はドキュメンタリー映画の体をなしていて、元教師であるおじさん・山田が、インターネットで魔法少女おじさんとして活動する姿を映し出しつつ、なぜ彼が教師をやめ、そしてなぜもう一度子どもたちの前に立つことになるのか。なぜあんな格好をしているのか。それらが語られていきます。


第二夜は、不気味さや強さは控えめで、どちらかというと「痛々しい」という精神的なダメージの大きい回。

もうね、とにかく「山田」の存在がリアルなんですよ。

頑張ろうとしているのに、なぜか上手く行かない。悪い人ではないのだけれど、立ち回りがヘタだし、運も悪い。憎めないけれど、どうにかしてやれる気もしないような感じでモヤモヤがずっと胸のうちに広がっていきます。こういう人って、いるよなぁ。

そんな彼が、自分の生き方として見つけてしまった「魔法少女」という皮。前回から登場していましたが、やはりどう考えても怖い。

中盤に登場する、手作りお面の魔法少女はあまりにもホラーで、出演する子どもたちがよく泣き出さなかったな、と心配になったほどでした(笑)

本作のキーにもなっている魔法少女のお面。この第二夜でそのきっかけの部分と進化の部分が表現されています。果たして、このお面が意味するものは。そして、この物語の行き着く先はどうなるのか……というところで、第二回は情報控えめにフィニッシュしたのでした。


最後に登場するのが、ロフトプラスワンの映像っていうのがまたリアルさがすごくていいですね。マジで地下イベントの雰囲気そのままっていう感じ。多分第三夜では、あの場のことがもう少し映されるのでしょう。

あそこから更になにかが待っているのか。果たしてどうやってこの物語が着地するのか……。全く検討のつかないささざめでした。

深読みしすぎずちょっぴり考察

ツイッターなんかを見ていると、やはりめちゃくちゃ面白い考察をしている方がいっぱいいます。時間軸のフェイクが入っているとか、最後に監督の三田愛子がヤマダと入れ替わっているとか、そもそもこれは三田の復讐劇なんじゃないかとか。

それも面白いんですが、そういうトリック的なところを無視して、物語の根幹部分に個人的には目を向けたいと思っています。


今作のフックになっているのは「唄うと死ぬ歌」の怖さと、お面を被った「魔法少女山田」そのものの不気味さ。

第一夜の時点では、この気色の悪かった歌の真意が読み取れなかったところでしたが、第二夜を受けて、ストンと腑に落ちたところでした。あぁ、このひと(山田)なら、あの歌詞を書くだろうな、と。

なにも上手く行かず失敗の連続。周りからも冷たい視線を浴びていたでしょう。子どもとの関わりがもしかすると彼にとっての唯一の拠り所なのだろうかとも思ったのですが、友人曰く「実は子供が怖い」「怖いと思っているから教育の枠に当てはめちゃう」なんて話も。山田は否定しますが、きっと事実だと思います。

逃げちゃだめだよ 負けちゃだめだよ

これはまさに、そんな自分に向けての言葉。誰かを励ます、と彼自身は思っているのでしょうが、まぎれもない呪詛になってしまっているわけです。


うつ病を患っている人に「頑張れ」は禁句だ、というのを昔から聞きます。その言葉は必ずしも薬ではなくて、毒になることもあるのだと。

教員採用試験のチャレンジを終えて、伏せる彼を奮起させる監督の三田。それはどう見ても励ましですらなく、「逃げるなよ」という批判めいたものでした。

次に現れるのは、それまでよりもさらに自分を隠す白いタイツまで身につけて、キレイな魔法少女のお面を被った山田。彼はもうこの時点で、心が壊れているのではないかと思います。お面は壊れた心を覆い隠すマスクであり、中身をこぼさないためのフタになった。

映像の中では、山田がその後、すでに故人となっていることが明かされていますが、いまいまの情報だけでは心の壊れた彼がどんな末路をたどったか……。嫌な想像をしてしまうところです。


三田愛子の言動のおかしさから、彼女や外部の人間が黒幕だ、という話も考えられますが、どちらかというと個人的にもっと嫌なのが、彼女はただ自分の映画を完成させたかっただけではないかということ。

長い密着の中で、山田に情が芽生えて、発破をかけた、という風にも考えられますが、それにしては言葉が酷い。山田の気持ちをあまりにも考えてなさすぎると思うんですよね。

まあただ、そもそも三田がなぜ山田に密着するに至ったのか、その始まりの部分が明かされていないため、もしかすると本当に三田が山田を恨むような事実が隠されているのかもとも思いますが……それにしては回りくどいだろうとも(笑)

だから、第二夜の総括としては、とにかく不器用な山田が壊れていく様をまざまざと見せつけられ、それを映画というパッケージに完成させた三田という人物がいたという事実が明かされた、というところなのかなと思ったのでした。


では未だ残った、貝塚さんがあの歌を覚えている理由、さらにあの女性が魔法少女を恐れた理由、山田の死の真相は……というところですが、そこはもう、来週で明らかになることを期待するばかりというわけです(笑)

まとめ

色々と隠された謎がありそうで、まだまだ盛り上がる本作。

個人的には少しメタも含みつつ、この作品が表現したい感情ってなんなんだろう、と想像しながら楽しんでいます。

第一夜では不気味さを、第二夜では痛々しさを見せつけられました。果たして最終回の第三夜はどうなるか。来週が楽しみですね。


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