雪兎ざっく原作、鳴海マイカ著『Eランクの薬師』(第8巻)を紹介/レビュー。
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前巻までの感想
紹介/感想
Eランク薬師としてかつて虐げられた主人公のキャルが、Sランク冒険者のカイドと出会い、彼と共に生きていくために奔走するファンタジー作品。
最終章となった、主人公の両親の過去を追うアルスターク編も、この8巻で完結を迎えることとなった。
第7巻ラスト、伯爵家現当主のマルクと、謎の魔法使いと対峙しピンチに陥った主人公との戦いから始まる第8巻では、緊張の瞬間の連続。その中で、主人公の両親の過去や、マルクの苦悩、そして黒幕となった魔法使いの真意などが明らかになっていく。
原作未読のため詳しくは知らないのだが、あとがきをみるとどうやら漫画オリジナルの新キャラクターの挿入や新エピソードの追加があったようで、原作を読んでいる人でも新鮮な気持ちで楽しむことが出来るようになっているのではないかと思う。
正直に言うと、個人的には、最後の敵となった魔法使い、あとその使い魔のカエルが、物語的にはちょっと弱いかなぁというのは否めないのだが、キャルとカイドが二人で困難に対峙する姿は涙ぐましく印象的だった。
最後らしく、ここまで追いかけてきた読者へのサービスとも言うべきか、ラストは大団円に向かっていく。もうすっかり甘々なカイドや、彼の渾身の誓いも見られるため、彼のファンなら是非読んでおくべきだろう。
各話のちょっぴり感想/みどころ
第42話
- 召喚された敵はカエル! 強いのか……?
- 渾身のヘッドバット(ドゴォ)で飛んでいくキャルの頭のブリムさん。
- カエルさん、助けにきたカイドにやられてバタンキューしてるのが可愛い。憎めない。
- キャルに投げられたマムシ改を躊躇なく飲み干すカイド。信頼だねぇ~、と思いつつ、読者視点では副作用とか大丈夫だよね…?とちょっとだけ心配にw
第43話
- マルク洗脳の真実。まあ彼なりに苦悩があったのは事実だろうし、可哀想な男だよね。
- マルク、ちゃんと謝れて偉いね~。リリーとの絆も描かれて、ほっこりだね~。こういう親子の愛が描かれると、おじさん泣いちゃいます。
- と思ってたら、それを観てた執事とメイドさんがびえええ~と泣いてて最高でしたw
- ここにきてマムシ事件からの伏線も回収。キャルとリリーの力を合わせて、もう一度最後の敵を追い詰める。このあたりの展開は熱いよね。あっさり見つかるところはちょっと笑っちゃうけどw
第44話
- オーレリアンの大見せ場と、魔法使いナスタリオの独白。
- なんか、ナスタリオのキャラクターがどうも可愛いヤツというふうに見えてしまって、最後の敵としての威厳はなくなってしまった感が…w
- それに引き換え、最後まで悪役っぷりを知らしめていくスラガ老師。喰えない男ですね。
第45話
- 色々大団円へ。詳しくは読んでくださいと。
- リリーが最後まで可愛くて、キャルが抱きしめるシーンで僕も抱きしめたくなっちゃった。「こらっはなれなさいよっ」の書き文字吹き出しが最高だね。
- 甘々カイドが最後はビシッと決めて完結。お疲れ様でした!
番外編
- 最後は、いつも通りな雰囲気の面々が映し出されて終了。オーレリアンはやっぱこうでなくちゃね。この先も彼に残りの3人は振り回されるんだろうなぁ。
まとめ
やや性急な終わりにも感じられたが、おそらく原作と同じところまで描き切られたのではないかと思う。良いコミカライズだったのではないだろうか。
8巻と、読みやすいサイズ感でもあるので、ぜひ気軽に読んでみて欲しい一作だ。