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【漫画】『永年雇用は可能でしょうか』(既刊3巻)の感想

yokuu原作、烏羽雨 キャラクター原案、梨川リサ著『永年雇用は可能でしょうか』(既刊3巻)を紹介/レビュー。

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紹介/感想

汽車なんかも走ってるような、近代ヨーロッパ的な世界観の中で描かれる、白髪で寡黙で、でもそこはかとなく魅力的なイケオジで、しかも魔法使いなフィリス(先生)と、そこにメイドとして就職する主人公・ルシルとの、不思議な同居生活を描くファンタジーラブコメ作品。

街の人からはとっても慕われているのに、使用人がすぐに出て行ってしまうという先生は、確かに感情が読めなくて気難しそうな印象。けれど、第一巻から通して、理不尽に怒りを見せたりとか、無理難題を出してくるとかそんなことは一切なく、ただただ真面目で無駄が嫌いなだけなプロフェッショナル気質な人という感じ。

なんなら、第一巻終盤くらいから既に、ルシルのことを大事にしている感じが溢れ出てきていて、なんでこの人の元で働くのがそんなに大変なんだ、と疑問に思うほど(まあ、そのあたりの話は、実はルシルのこなしている仕事の量が膨大らしいというのが、中盤に挟まれる、先生に恋する少女・ディディちゃんのエピソードで明らかになったりもするのだけれど)。


基本的には枯れた老紳士との恋愛模様というのがベースになってくるので、最初はちょっと読み進められるか心配かも、と思ったのですが、実際読んでいくと先生がとにもかくにも魅力的でミステリアスなので「この人はどんな人なの!」というのが気になって先を読んでいってしまう作品でした。

ただかっこいいだけの若いイケメンがデレるよりも、この先生がデレた(デレというほどの描写でもないのだけれど)瞬間の破壊力たるや、ですよ。

長命の魔法使いと、ただの優秀な使用人という、身分違いの話でもあり、この先にどんな展開が待っているのか想像つかず、先が気になる一作です。


2巻終盤から3巻にかけては、突如現れた魔法使いに、猫の姿にされてしまった主人公の話も。

ここのエピソード、しばらく先生が出てこないのですが、その代わり主人公を助けてくれる長毛ネコのマカロンさんがそりゃあもう可愛いし頼りになるし、なので読んで損なしです! 待ちに待ってようやく登場の先生ももちろんカッコよし。

3巻からは、魔法使いのことをより知ることができるシーンや新たなキャラも登場し、物語の動きも大きくなっている感じが伝わってきます。

まだ「永年雇用は――」というタイトルの部分は回収されていないのですが、こちらが回収されるときは来るのかなと期待しながら次巻を待っています。

まとめ

イケオジな先生はかっこいいし、主人公も芯があって有能な女性でとても応援できるし、いっぱい出てくる動物たちは可愛いしで、隙のない一作でした!

時期的にそろそろ4巻が出るころなんじゃ?と思うので、ぜひ早く続きを読みたいところですね。