梅木泰祐著、『あせびと空世界の冒険者』全10巻の感想・レビューを書きます。
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紹介・感想
先日、Kindle Unlimitedで全巻読んだ放課後!ダンジョン高校の感想記事を書いたのですが、こちらも、アンリミテッド全巻対象作。どちらもRYU COMICS作品なので、そのへんの方針なんですかね。
本作は空に浮かぶ島々と、その間を飛び回る飛空艇を舞台に、古代文明の謎を追うというかなり王道なテーマの冒険SFファンタジー。
ややスチームパンク的な雰囲気もあり、とっつきにくいかと思いきや、意外とスルスル読み込めてしまう作風で、愛らしいキャラクターも多く、熱い物語がまっすぐ楽しめる良作でした!
人々を襲う怪物・竜魚と、それに対する数少ない対抗手段である戦力・衛士の空中バトルは、圧倒的重量感と物量で蹂躙しようとしてくる竜魚を、スナイパーライフルだけで撃ち落とすという硬派な戦い。
ソレに加えて、古代文明の人形兵器という圧倒的戦力への対抗も、かなり手に汗握るスリリングな描写ばかりで最高です。対戦闘モジュールの絶望感たるや……。
物語の主軸は、衛士である心優しい青年ユウと、アンドロイドの少女あせびの二人が、古代文明の真実を求めて仲間を得て、船を得て、空を翔るという、まさに少年漫画らしいというような展開。
王道展開を多分に含みつつ、失われた古代文明の真実や、敵味方入り乱れた戦いの行く末は読めず、最初から最後までドキドキの一作です。
出てくるおじさんキャラ達がやけに怖いのと、女の子たちが可愛くて推しポイント。終盤になるとある2キャラがちびキャラ状態を披露するのだけれど、完全に干物妹うまるちゃんで笑っちゃいました。可愛い。
全10巻で、きっちり綺麗に完結して、読後感も大変良き。後半はやや駆け足な感じがして、活躍しきれなかったキャラクターもいましたが、ユウとあせび二人の冒険譚としては十分描ききったという感じでした。オススメ作!