山西正則著。『放課後!ダンジョン高校』全11巻の感想・レビューを書きます。
(購入はこちらから)
紹介・感想
現在、Kindle Unlimited加入中なのですが、Kindle Unlimitedで5巻以上読み放題のタイトルというページを開いて見ていたところ、この作品が気になったので読んでみることに。
そのタイトルから、てっきり「けいおん!」「てさぐれ!部活もの」みたいなゆるさを想像していたら、思わぬ熱いバトル・ダンジョンアドベンチャーで、一日で一気読みしてしまいました。
なんと本作、全11巻が全部Unlimited対象です。完結まで一気読み可能。オススメです。購入してもお安いですがね。
ちなみに実はこれ、かなり前にも1巻だけ読んだことがあって、そのときはあまりにも「おもてたんとちがうー!」となって離脱してしまった作品。改めて、先入観を除いて読んでみたら、かなり面白く読めたという感じでした。
舞台は、日本のとある島。地下に発生した巨大ダンジョンと、その探索拠点的な場所となる学校・弾正高校を舞台に、モンスターとのバトル、人同士の争いが描かれるストーリー。
かなり特殊な設定で、1巻の導入からついていくのがやっと、という感じなのですが、強大な力を持つ遺物・オーパーツやら、変形義足のヒロインやら、隻眼の眼帯女やらと、色んな意味でかなりの癖(へき)が集っていて、めちゃくちゃわくわくする絵面が満載。
1巻はまずこのヘンテコな世界観の導入となり、2~3巻あたりからが本番。ダンジョンを舞台にした成長、だましあい、そして恋愛模様が描かれます。
物語が進んでいっても、不思議な空気感はずっと維持していて、誰が敵で誰が味方なのかもよくわからないまま、あれよあれよと大きな話になっていき、気づけば最終盤に。
最後はしっかり大きなスケールで、各キャラクターのかっこいいところがガッツリ描かれます。特に、普通のおじさんっぽい先生キャラ・鵜狩川先生の勇姿がめっちゃくちゃ痺れた。可愛い女の子の活躍ももちろん良いけど、こういうおじさんのかっこいい姿は胸にくるんだよなぁ……。
そんなところで、第一部が終了。このあとどうするの?と思ったら、主人公交代しての第二部がスタートします。
第二部は人を選ぶ
第一部のシナリオが(やや性急な感じもありつつも)綺麗に締まったところで、第二部からは弾正高校の新入生の少女を主人公にして、ガラリと印象が変わります。
感覚的には第一部のスピンオフ的な感じで、一話完結でダンジョンを舞台にしたラブ・コメディっぽく鳴った感じ。
第一部の終盤で登場したあるキャラを影の主人公として、彼の活躍の場が与えられたという感じもあって、彼のことが好きなら楽しめるのではないかと思います。
一方で、それまでの主人公とヒロインが登場しなくなることや、それまでのストーリーにほとんど言及しなくなってしまうため、当初はまるでパラレルワールドのお話を読んでいるかのような感覚にも陥りました。
なので、9巻~11巻は、あくまでおまけ的に楽しむのが個人的には良いのかな、と思います。どちらかというと、「放課後!ダンジョン高校」というタイトルに相応しいのは第二部の作風の方ではあるんですがね(笑)
まとめ
かつて一度は読むのをあきらめてしまった作品だったのですが、腰を据えて一気読みすると、めちゃくちゃ楽しめました。
第二部は正直困惑しましたが、読み終わるころには、もうこの世界を味わえなくなってしまうのか…と寂しさを覚えちゃいましたね。
僕もダンジョンで一攫千金してー!という気持ちにさせてくれる一作でした。