ささざめブログ

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【漫画】"美味しい"を伝えるって大事『メシマズ女扱いされたので婚約破棄したら、なぜかツンデレ王子の心と胃袋つかんじゃいました(既刊3巻)』の感想

村沢黒音 原作、森本マチ(1~2巻)・硯七(3巻~)漫画、『メシマズ女扱いされたので婚約破棄したら、なぜかツンデレ王子の心と胃袋つかんじゃいました』を読んだので、感想・レビューを書きます。

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紹介・感想

婚約破棄される令嬢物語って、たいてい、婚約者が別の女に溺れてるケースが多いと思うんですが、本作はちょっと変化球。

物語の下地は、料理の味がすごく大事にされているという世界観。作品によっては、貴族が自ら料理をするという行為自体がありえないこと、なんて風潮が多いジャンルですが、本作ではそれが当たり前で、むしろ料理の腕前が貴族令嬢としてのステータスにまで影響するような世界。

そんな世界で、主人公の公爵令嬢・ジーナは、婚約者であり国の第一王子であるフィンセントに、いつものように料理を持っていく。そこで聞こえるのは、「なんて不味いんだ」なんて失礼すぎる感想。不味い不味いと言いながら、「食べてあげている」なんて偉そうにつらつらとのたまう第一王子。これが開幕から行われて、胸糞ゲージは物語開幕からすでにクライマックス。

本作、結構ひねりが聴いていて、あぁ、いつものように婚約破棄される流れか、と思いきや今回三行半を突きつけるのは「主人公」。とんでもないパワハラ婚約者に限界が訪れて、こっち側から終わりを告げるというところから始まっていくというわけです。


タイトルから分かる通り、結局はこの主人公の料理は全く「メシマズ」なんかではなくて、むしろ誰も知らない特殊効果まで持つ、みんなが虜になるような料理だったという流れで、信じてくれる仲間や愛する人も増えていき、逆転展開につながっていきます。

例のモラハラ第一王子はしっかり痛い目を見るし、主人公の周りには、ヒーロー役となる第二王子・シストを始めとした良い人が揃い踏みだしで、最初の方こそストレスがそれなりに掛かりますが、段々と熱中してしまう作品でした。

まあ基本的には、お料理漫画というよりは、ラブコメ中心。果たして主人公の安寧は。シストとの関係性は。というところが主題ではあるため、料理要素メインで楽しみたい人にはやや注意ですね。

3巻からは漫画家さんが交代

記事冒頭の作品紹介でも書いたとおり、本作は途中で作画担当が交代します。

原作付きのこの手の作品だと、稀によくある、という感じの事象ではあるんですが、切り替わりは突然訪れるので、一気読みしているとビックリすること必至です(笑)

というのも、結構前後で絵のタッチが異なるんですね。2巻までを担当された森本マチ先生の絵は、どこか丸みを帯びていて暖かみを感じるタイプの絵。一方、3巻から担当される硯七先生の絵は、ややソリッドでよりクールな印象。

とくに変化を感じるのが、ヒーロー役であるシストで、2巻までは主人公の料理に美味しい美味しいと、子犬感を漂わせながら尻尾をふりつつもイザというときにはかっこよく助けてくれる、みたいな感覚を覚えたところでしたが、3巻からの彼は一段階カッコイイ方向へ帆を向けていて、主人公を守るためならばどんな障害も排除するという力強さを感じさせるという印象が強くなっています。

物語的にも、彼が覚醒する展開の中ではあるので、納得できないということはないんですが、やはり唐突な変更であるのは確かなため、個人的には困惑してしまいました(笑)

あと、モフモフのパワーダウン感が否めず、特に3巻は魔狼・ベルヴァの活躍するシーンも多いため、もうすこし森本マチ先生の絵で楽しみたかったなぁというのが本音です。まあ、この変更はやはり関係各所の苦渋の決断でしょうから、読者視点では受け入れて応援するしかないですね……。


というわけで、一気読みしていると変化に戸惑ってしまった私でしたが、一旦寝て、翌朝読んでみるとするりと受け入れられるようになったのでした。

というわけで、2巻と3巻の間に、小休止をいれることをおすすめします(笑)

まとめ

それにしても、人にご飯を作っておいてもらって、「不味い」なんて言うのは、やっぱり人としてTOPクラスにやってはいけないことのような気がしますね。

もちろん、好みはありますから、必ずしも肯定しなければいけないわけではないですが、それにしたって感謝の表明はなくてはならないよな、と思ったのでした。

そんな、人生の教訓も覚えた一作でした。