2015年公開(日本公開:2016年)、レヴァン・ガブリアーゼ監督作『アンフレンデッド』を紹介/レビュー。
紹介/感想
パソコン画面だけで展開される映画。いわゆる「スクリーンライフ」と呼ばれるジャンルの中でも、現実のPC画面と実在するツール・Webサイトを使用して、より親近感を感じられるという点で突出した、現代スクリーンライフの先駆け的な作品がこの『アンフレンデッド』。
最近も大ヒットした『search/サーチ』や『ズーム/見えない参加者』などに通ずる点がいっぱい。……なのですが、それらと比べると世間的な評価は低め。その理由も理解はできるのですが……個人的には、先見性的な面も含めて、もう少し評価されてもいいんじゃないかなぁと思わせられる一作でした。
メインキャラクターはいわゆるオバカなティーンエイジャーたち。ホラー映画の被害者役として、まあありがちなところです。
そんな彼らが、Skypeで通話をすると、なぜか誰も知らない参加者が一人。強制的に切断しようとしても不可能で、新しく通話をつなぎ直しても入ってくる。一体この謎の参加者は誰なのか。犯人探しをするにつれて、通話参加者の面々には異変が……。といった展開。
物語が進んでいくとわかるのですが、メインキャラクターたちがまぁひどい。主人公からして延々自分以外の誰かを責めるばかりで全然役に立たないし、後に明らかになる所業も最悪だし。
そんなわけで、終盤は正直、怪異にやられていく彼らを見てほくそ笑んでしまう。「やっちまえー!」と笑いながら鑑賞した終盤でした。
技術と予算不足で、絵面がチープになってしまっているところはあるものの、スクリーンライフの持ち味である臨場感はさすが。
特に、私はもともと(今でも)Skypeユーザーなので、めちゃめちゃ馴染みのある音声がたくさん聞こえるので、ドキドキは多分普通の人以上に味わえたとおもいます。
ただ、そうでない多くの人達は、あまり共感できないだろうなぁという感じで、やはりパンデミック最中に作られた、Zoomを使った『ズーム/見えない参加者』とかのほうが感情移入できるんだろうなぁと思いました。
まとめ
これ系の作品は、画面に映るテキストも読み込まないといけない場面が多いので、英語話者でない日本人的にはそこもハードルの一つになっていますね。私は英語を読むのはそれなりに得意なのですが、字幕のみで見てる人だと字幕があっちこっちに出て見にくかったという話を見かけました。
メインキャラクターたちの未熟・最低さや、最終的な結末のややくだらない感じとか、色々とマイナス評価したくなるところは確かに多いのですが、スクリーンライフ映画のエッセンスはしっかり詰まっていて、後につながる作品になっているなぁと思った一作でした。
ちなみにこのスクリーンライフというジャンル、更に先駆者のThe Collingswood Story (2002)などもあるので、いつかこれも見てみたいなぁと思っているささざめでした。