主人公は超大人気配信者。よりスリリングな体験を求めて、様々な配信を繰り返していた彼が友人に招待されてやってきたのは、ロシア・モスクワ。そこでは、誰も体験したことがないようなオーダーメイドの「脱出ゲーム」が楽しめるという。
スリルを求めた主人公の行きつく先は。そして、主人公たちは無事に抜け出すことができるのか!
という感じの、サスペンススリラー的な映画。ホラー要素は薄いけど、ちょっとグロ要素あり、な感じ。
以下はネタバレあり感想を含むので注意。
・#フォロー・ミー あらすじ
究極のリアル脱出ゲームに挑む人気ブロガーの恐怖を映し出すサバイバル・スリラー。モスクワ郊外に建つ巨大な廃墟にやって来たコールと仲間たち。仕掛けられた様々なトラップを制限時間内にクリアしていくゲームに挑戦するが、それは単なるゲームではなかった。
物語は、主人公がイカレた金持ち配信者(YouTuber的な感じ)であることをアピールするところから始まる…んだけど、どちらかというと、実は主人公の根は良い奴で、配信に囚われすぎてちょっとネジが外れかけてるくらいな印象に収まる。どちらかというと、愛する彼女もいて、良い奴っぽいかんじがしてきちゃう。
ダッシュと呼ばれる友人はとにかくクソ野郎で、アホでクレイジーな配信仲間という感じで、こっちにどちらかというとヘイトが溜まっていく。
モスクワにて、脱出ゲームが始まる。ビジュアルは薄暗い牢獄。ハッキリ言ってSAWである。仕掛け的にも意識しているとは思うが、「脱出ゲーム」という名称の通り、出される謎解きが、若干子供じみていて拍子抜けだ。
ここはまず想像通り、普通の脱出ゲームではない、死の脱出ゲームを体験させられる。
命からがら脱出した先で、新たな展開。死の配信に巻き込まれていく。ここで、とうとう最初の犠牲者が出る。さっきまではあくまで脱出ゲームの延長だったけれど、ここからは本当の死が待っているんだと思わせる展開。
ただ、このあたりで私としては結末が見えてしまう。これ多分、全部演技でした~っていう展開なんじゃないかと。
私は、映画で先の展開が見えてしまっても、それが原因で評価を下げたりはあまりしないので、それ自体は別に問題ないのだが、ちょっと気づかせるのが早すぎる気はする。
気づいたといいつつも、そこから先は、必死な主人公とその周囲の演技によって、どうなるんだろうというワクワク感を維持したまま最終章へ。
主人公の彼女が殺されるシーンでは、さすがにあの死をごまかすのは難しそうだったので、やはり本当に殺しているのか?とも思わされたのだが、結果的にはやはりすべて嘘。そして、最悪のエンディング(ネタバラシ)が訪れるのだが……。
最後、すべてが演技だったことが明かされ、前日譚(主人公を巻き込むべくする友人たちの姿)が描かれるのだが、とにかく胸糞が悪い。
なぜかというと、先述の通り、主人公がそんなに悪い奴にみえるように描かれていないのだ。確かにヤリスギた配信者ではあるものの、そこまでのひどい所業をしなければならないほどの人物ではない。
それに彼は、心の底から彼女のことを愛しているような描写があるのに、その彼女も主人公をからかっていたのだ。これはもうやっていられない。
これで、最後に殺してしまう相手が例えばその彼女だったりしたら、最悪の胸糞映画として名を刻むことができたかもしれないけれど……そうではないというのも、あんまり盛り上がらないポイントだ。
それでも、最後の最後まで、どのように結末を迎えさせてくれるのかというワクワク感と、最後の「あっちゃ~、そりゃないよぅ……」という感覚は、史上最高の胸糞映画ミストのラストに似た感覚は、悪くはない体験だった。
胸糞映画ランキングのTOP30くらいには入りそうだ。
鑑賞後に他の人のレビューを見ると、どうやら名作映画「The Game」のパクリだなんだと騒がれているようなので、次はそれを見たいと思う。