アニメ化もされた大人気コメディ漫画『ヒナまつり』の作者で、現在、『女子高生除霊師アカネ!』や『J⇔M ジェイエム』も連載中の大武政夫先生の短編集第二弾の紹介と感想(レビュー)。
※当記事ではアマゾンアソシエイトリンクを使用しています。
紹介
第一弾の『東京発異世界行き』の発売から早9年。久々の短編集が発売。
前回はヒナまつり連載前の作品も多く、切ない話など、意外な作風の話も含まれていた印象だったが、今回はヒナまつり連載中~連載終了後の作品も。非常に磨きのかかった一冊となっていて、どれも高品質なシュールで楽しく不思議な作品ばかりだった。
短く非常にくだらない1本から、数話に渡って繰り広げられるちょっと不思議な世界観のお話まで、一冊まるごと楽しめる短編集。特に、ヒナまつりを楽しんだ読者にはオススメできる一冊ではないかと思う。
(前作)
特に好きだった話
以下、個人的に特に好きな話を綴る。微ネタバレ注意。
俺たちの非日常はこれからだ!
元々は単行本一冊くらいの話らしいのをギュギュっと読み切り一話に凝縮したという作品。超能力を手に入れた少年たちの青春感もある物語で、ループものでもあり、いろんな要素がありながらも楽しくきっちりまとまっている1本。
個人的には普通に連載にできるんじゃないかというくらい設定が楽しいし、キャラクターも立っていて大好きな一作。主人公の役に立たなさも、邪神のデザインの雑さも、佐藤さんも好き。
90 59 88
たった4ページ漫画。あまりにもくだらないが、それがいい。最後のコマ、ニヤっとしてるキャラクターをみて、「ニヤ、じゃねーよ!」と声を上げて突っ込んだ。
魔法少年マモル始まらない!
今回5話分も収録されている、本作の目玉的作品。
魔法少女モノ×一捻り効いた設定という、ここ数年かなり多く見られた手法でありながら、非常に楽しい大武政夫ワールドが展開される作品で、これも大好きな1本。
少年が魔法少女契約をしてしまうというところまでは他にもあるかもしれないが、まさか最後まで少年は魔法少女のように変身したりできないとは、予想外だった。それでも戦わなければならない。その解決方法も最高だった。
「僕と契約して魔法少女になってよ!」な台詞を吐く魔法生物も絶妙に可愛くないし、敵キャラは絶望的にキモいし、最後の方なんかデスストランディングみたいになってるし、色々とツッコミたくなる箇所がいっぱいで良い。
これも単体で単行本化出来るだろうというくらいの完成度だ。
世紀末だよ! ハクメイとミコチ
あの人気作、『ハクメイとミコチ』とのコラボ作品だ。しっかりキャラクターはハクメイとミコチなのだが、ワールドは大武政夫なのでもう最高だ。ハクメイとミコチファンは是非見てほしい。そして暴動を起こしてほしい。
どれも満足度の高い話ばかりだ。1巻分だけ漫画買うポイントが余っちゃったよ~みたいな方は是非購入してみてはいかがだろうか。