ささざめブログ

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【漫画】『誰にも愛されないので床を磨いていたらそこが聖域化した令嬢の話』(既刊2巻)の感想

メ、メカクレ銀髪主人公!(筆者が倒れる音)

ひだまり原作、皐月文漫画『誰にも愛されないので床を磨いていたらそこが聖域化した令嬢の話』を紹介/レビュー。

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紹介/感想

お掃除大好き聖女が爆誕――。

聖女で令嬢で婚約破棄な一作。最愛の母を亡くし、父からは虐げられ、婚約者は義妹に浮気、更には父親の策略で自分自身の存在そのものを義妹とすり替えられるなど、あまりにもあまりにもな生い立ちをもつ主人公。

件の浮気現場を見てしまった彼女が絶望し、亡き母の言葉を胸に修道院へ家出するところから物語は動き出す。

修道院の仕事で掃除をした彼女。掃除をしたあとがとんでもなく清らかになり、ここでタイトル回収。そこからの展開は早く、突然王城で務めることとなり、そこで美形天然天才王子との出会いを果たす。

きれいにお掃除するだけで場が浄化されるという描写は、単純明快かつ読んでいて気分が良いため、マンガ表現としてかなり良いものだと感じた。
自分もちょっとお掃除をがんばりたくなるような感じがしてくる1巻だった。


おそらく今後恋愛描写がぐっと深まっていくのであろう王子がまた可愛らしく、魅力的な存在に仕上がっていて読みやすい。辛い過去を持っているような感じなのに悲壮感も偉ぶる感じも強くなく、愛らしくて頼れる男なのだ。

もちろん、主人公もデザインが美しく、聖女らしい聖女ルックであり眼福。
あと、王と王妃が良い人という点もびっくりポイントだ。たいていどちらかは悪人要素があったり喰えない人物だったりするのに!珍しい!(このジャンルを読みすぎなだけか)


浄化と再構築という神技のような合せ技で神獣のようなもふもふ生物まで生み出すなど、2巻の時点でもう売れる気配しか感じさせない一作であった。

そして、黒さが尋常じゃない主人公父と継母。今後どうやって彼らとの決着をつけていくのか。
むかつくけれども見た目は可愛らしくて愛嬌が半端じゃない血のつながらぬ妹もどんな動きをしていくのか。まだまだわからないことだらけだ。

非常によくできたコミカライズ。おすすめ!