ささざめブログ

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【漫画】100回目は心が読めるみたいです『99回断罪されたループ令嬢ですが今世は「超絶愛されモード」ですって!? 』(既刊1巻)の感想

裕時悠示原作、ひだかなみ キャラクター原案、甲斐ろはる著『99回断罪されたループ令嬢ですが今世は「超絶愛されモード」ですって!? ~真の力に目覚めて始まる100回目の人生~』(既刊1巻)を紹介/レビュー。
※単話版第7話まで読んでの感想です。

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紹介/感想

ループ5回目の令嬢がいたり、ループ7回目の令嬢がいたりする異世界令嬢モノの中でも、なかなかループ回数が多いのがこの『99回断罪されたループ令嬢』、通称「くくるぷ」とのことだ。

99回のループで、何度も断罪処刑などで死を迎えてきた彼女。なのにどこか飄々としていて手錠をジャラリと鳴らしながら「よろしくぽ~ん!」なんて陽気な挨拶をかまして笑いを取ろうとまでしてくる。メンタルがイカれてしまっているのかとも思えるが、どうももともとの彼女・主人公アルフィーナの気質によるものが大きそうだ。

木登りだってなんのそのな、あっけらかんとした元気な彼女。ギロチンされる首に切り取り線を書くなんていうブラックジョークをこなした過去も見せつつ処刑台へ。そして、そこで見せられる狂気の表情。その元はなんと聖女様。

既刊の範囲内での最大の悪役、それがその聖女・デボネア。聖女とはとても思えない愉悦で歪んだ表情を見せ、その邪悪っぷりが忘れられなくさせられる。

100回目の生を受けると、99回目までとは大きく異なるところが。なんと「人の心が読める」ようになっているのだ。ここから、これまでのループとは大きく違う道を歩んでいくことになる。


先述の通り、元気ハツラツとした主人公で、しかもコメディ要素もかなり全力なため、処刑という本来辛いはずの展開なのに、なんだかカラリと笑えてしまう。聖女デボネアも、内心のあまりの酷さに豚を思い出させられるほどで笑えてくるのだが、ふとした瞬間の邪悪な表情が背筋を凍らせてくる。その緩急がするどく心を揺さぶる漫画だった。

漫画が上手い!

漫画担当の甲斐ろはる先生は、(私が軽く調べた限りでは)本作以外の経歴が一切不明だ。

ただ、どう考えても商業連載はコレが初めてとは信じがたい。それくらいクオリティが高い。

コミカルな表情も、シリアスな場面も、デフォルメ絵も、どれもハイレベルな作画な上に構図の見せ方も素晴らしい。堅物っぽかった王子殿下がアルフィーナに一気に惚れるシーンなんか、二人の魅力が全開でたまらない。

絶対別名義があるのだろうと思っているのだが、もしそうでないとしたら凄いと思う。本当に。

x.com

↑ハンターハンターのビスケを思い出す可憐な力強さで笑ってしまったw

まとめ

パートナーから薦められて早速読んでみたのだが、これは確かに面白い。まだ単行本は1巻までしか出ておらず、まだまだ物語の広がりが楽しみな一作だ。

最終決戦はデボネアとの闘いになるのか、はたまた更に強大な敵が現れるのか……。そんな展開も期待してしまう。

コミカライズ第二巻も3/22発売予定とのこと。さらなる盛り上がりを期待するばかりだ。