『キャビン・フィーバー (2002)』
ホステルで有名なイーライロスの商業映画監督デビュー作を紹介。
あらすじ
学生5人が森のキャビンでパーティ。そこに血塗れの男が突然現れる。彼は謎の感染症に侵されていた…
たまたまアマプラで見かけた本作。「キャビン」と名の付くホラーと言えば、「キャビンインザウッド」な私なのですが、なんとなく気になったタイトルだったし、アマゾンレビューの星がまあまあ低かったので、鑑賞することに。
以下は感想です。ネタバレ注意。
とにかく全編、登場人物がイカレたムーブしかしないので、「なんで!?」というツッコミが最初から最後まで止まらない。
まず序盤、バカな学生たちが森のキャビンでバカ騒ぎという流れはホラー映画の導入の王道という感じ。
開幕は、謎の小売店での買い出しから。人に噛みつくガキを店先に出している。この時点からまず「は?」となる。いや、そんな危険なガキをほっとくなよと。まあこれは終盤に回収、というか利用されるシーンの布石なのでしょうがないのだが。
森についてからは、それぞれのキャラクターの内情を描写していく。すぐセックスしはじめるバカップル(でも実はメンバーの中ではまだまとも)、気弱な主人公(終盤の行動がすべて異常)、主人公が片思いする女(可愛いけどなんかいけすかない)、そしていろんな元凶のアホ。
まあまずはかき回す役のアホ、リスを撃つといって銃を持ち出して行って、人を撃つ。よく見ると、何かの感染症にかかっているようで、血だらけの男だった。
ここのアホのムーブもイカレテいる。まあ撃ってしまったまではいいとしても、そのあと、助けを呼びに行くといって逃げ出したと思ったら、その存在のことをもう忘れて、なぞのキャンプファイヤーに勤しむ。いや、そうはならんやろ!
キャンプファイヤーへの火のつけ方も謎すぎて、「山火事起こす気か!」と、バカップルに怒られる。ふてくされたアホはそのままキャビンへ。いや、さっきの男はもういいのか!?
場面は夜に。キャンプファイヤー(正しく火がつけられた)をみんなで囲み、酒を飲む。知らない男(イーライロス監督本人が演じてる)がやってきて追い返そうとするが、大麻をもってるとわかると途端に歓迎。もうこの辺で、ああこいつらバカだなぁ、という感じが止まらない。この知らない男は「犬」の存在を出すために出てきただけで、大した役割はない。なんだったんだ!
知らない男が去った後は、さっきの撃たれた男の再登場。さっきよりも症状が進行していて、血を噴き出して車も血塗れに。そして何を思ったのか、主人公たちはその男をめっためたにする。銃で撃ったりバットで殴ったり、あげくに火をつけて殺す。いやほんとどうしてそうなったw
ここからは、主人公たちがこの森から脱出しようとする話に切り替わっていく。さっきの感染者の男のせい(いや主人公たちのせいだけど)で車がぶっ壊されたので、周りの民家に助けを求める。でも色々あってうまくいかない。この辺のうまくいかなさもわけがわからないが、もうツッコミが追いつかない。
やけに雰囲気のある、ヒッピーな雰囲気の保安官も登場。もう信用できないやつなのが最初からまるわかり。
とうとう最初の感染者。主人公が片思いする女の子。主人公が彼女に手〇ンしようとしたら手に血が…いや下品だな~w でも演出は悪くないのは、このあたりがやっぱりイーライロス節なのかな。
普通、感染がわかったら病院に連れて行こうとなるのが普通だと思うのだけど、このタイミングですでにもうあきらめている様子の一行。彼女を納戸に閉じ込めてその場を離れる。
助けを探しに行った先の家でいい女を見つけて眺めていたら、家主の主人に見つかって殺されかける、バカップルの男のシーンでも「そうはならんやろ!」と声がツッコミが出た。
続々と感染者が増えていく。バカップルの男が去り、女が主人公に近づいてセックス。このバカップルの女は美人だし理性が意外とあるタイプだったので、結構このセックスシーンは興奮した。直後、リステリンで自分のちんこを消毒する主人公。いやもう!笑わせる気しかないんかい!w
そしてとうとうやってくる伝説のシーン。序盤に出てきた、小売店に助けを求めに来たアホ。店先には、人に噛みつくガキが。急に叫ぶ、"Pancakes!!"。既に感染しているアホに謎のカンフームーブで近づいてくるガキ。からの案の定の噛みつき。それを見た店のやつは、お前のせいでガキが感染したら俺が悪いからお前を殺す、というもう一ミリも理解が出来ない理論で、アホを殺す流れに。このシーン一連、マジでちんぷんかんぷん意味不明過ぎてもう最高である。
Pancakes!のシーンは、本当に歴史的に語り継がれるべき名シーン(迷シーン)であると言いたい。
ちなみに、YouTubeのコメント欄によると、この子供を演じるマシュー・ヘルムズが、休憩中にテコンドーをやっているのをみて、彼が本物の黒帯だと知った監督がサプライズ的にこのシーンを加えたんだとか。
終盤はもうめちゃくちゃである。主人公も感染してしまうのだが、感染の経緯もアホすぎる(感染者の死体の浮いた池に普通にじゃぽんする)し、感染後はもう色々どうでもよくなったのか、殺意がはんぱじゃない。
中盤に出てきた保安官の再登場シーンもなんだか気が抜けてるし、急に死ぬやつもいるし。もうわけわからん!
映画の最後は、この惨劇がここから一気に広まっていく、という予兆を感じさせてフィニッシュ。幸せそうな風景でこのあとのアポカリプスを思わせる演出はなかなかナイス!いやでもやっぱりツッコミどころ満載なんですけどね。(川から直接水くんでレモネードなんて作るな!!!)
もう最後の最後まで、笑ってばっかりのホラーだった。でも、ゴア表現はまあまあ気合入ってるし、うげーっとなるシーンもいくつかあった。
あんまり国内で話題にあがってるのは見ないけど、もっと評価されてもいい一作に感じる。
ちなみにこのあと、2(2009)→3(2014)→1のリメイク(2016)と続く、意外な名シリーズとなっているらしい。