カメントツ著『ねこおばあさんぼく』を紹介/レビュー。
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紹介/感想
代表作『こぐまのケーキ屋さん』が大ヒットした、漫画家カメントツ先生による、保護猫ちゃん二匹とあるおばあさんとの日々を描いたコミックエッセイ。
カメントツさんと言えば、ハイクオリティなルポ漫画を描いてくれるオモコロライターというイメージの私。猫も大好きなので、期待しながらの読了。猫ちゃんの写真も多めで、大満足の一冊だった。
漫画は、ある日、家の4階にまでよじ登ってきたボロボロの猫まくらさんとの出会いから始まる。先住猫のグーさんの動きにより奇跡的に見つかったまくらさん。彼女の出自を追い、なんと元の飼い主であるおばあさんとも出会うなど、驚きの連続な話が描かれている。
特に、元の飼い主さんとの話はかなり衝撃的で、考えさせられる内容だ。非常に社会的に意義のあることが書いてある。てっきり、矢部太郎さんの『大家さんと僕』のような話が書いてあるのかと思っていたため、衝撃をうけた(ほっこりエピソードも収録されているが)。
それに、私がもしカメントツさんと同じ立場だったとして、きっと同じ行動は取れない。もしかすると、まくらさんとはもう離れ離れになっていたかもしれない。そんな内容なのだ。カメントツさんの優しさと愛情のなせる業だろうか。関心しきりである。
YouTubeやTV番組で保護犬・猫団体さんの動画を見ることも多いが、やはり、生き物を買うということは非常に難しいし、保護したからと言って簡単に飼えるというものではない。この『ねこおばあさんぼく』で描かれるエピソードや、人それぞれの価値観の違いというのは、今後猫を飼ってみたいと思うような人は読んでおくべきだと思う。そんな一冊だった。
カメントツさんの描く二匹がとにかく愛らしい
元気でビビりな先住猫グーさんと、当時16歳のおばあちゃん猫なのにキリっと凛々しくて美しいまくらさん。この二匹がとにかく愛らしくて、毎ページ癒されるばかりだった(拾ったばかりのまくらさんはさすがに痛々しいが、カメントツさんのデフォルメされたタッチでかなり軽減されていて読みやすい)。
特に好きだった話は、がぶがぶと両足を噛んで効率的にダメージをあたえてくるグーさんと、朝ご飯を要求してモリモリ食べたと思ったら満足して布団に呼び戻すまくらさん。
猫コミックエッセイ好きな私としては、あるある描写がたっぷりなので、目新しさというのは別にないのだが、猫ちゃんはどこの子も可愛くて飽きないので問題にはならないだろう。
なお、電子版だけかもしれないが、半分は2匹の写真集のようになっているので、癒し度満点だ。
まとめ
グーさんもまくらさんも、とにかく可愛くて癒される漫画だったが、それ以上に考えさせられることもある漫画だった。まくらさんは当時16歳。2024年現在はおそらく18~19歳だろうか。もうすっかりご長寿猫さんだ。
2023年12月のツイートでは凛々しく健在な姿が見られている。ぜひ、長生きしてほしいものだ(というか、毛並み良すぎてビビる。可愛い)。
— カメントツのサブアカ (@Computeroba) 2023年12月20日