ささざめブログ

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【漫画】少女が歩む夢のマイホームへの道『家つくりスキルで異世界を生き延びろ』(全3巻)の感想

小鳥屋エム原作、日向ののか漫画『家つくりスキルで異世界を生き延びろ』を紹介/レビュー。

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紹介/感想

齢13にして、独り立ちした冒険者である少女・クリスニーナ(クリス)が主人公の異世界ファンタジー。元は転生者な主人公は、ちんまい可愛らしい見た目だが中身は大人な女性……というような設定もあるのだが、実際の所、年齢に見合った可愛らしい所と、強い意志を見せる大人な所の両面を見せる魅力的なキャラクターだ。

物語は、そんな彼女が迷宮都市・ガレルへ移住のため訪ねてくるところから始まる。しかし、移住計画は頓挫し、新たな目標「家馬車」を作るために奔走していく。


とにかく全体を通して「堅実」な雰囲気があり、よくある無双系作品とは一線を画す質感が楽しめる。表題の「家つくりスキル」が活かされるシーンも、着実に仕事をこなす職人的なかっこよさが表現されているのが好きなポイントだ。

ただ、主人公のメインウェポン的な扱いとなるのは「家つくりスキル」ではなく、幼い頃に魔女様から教わったという「紋様紙(呪符のようなもの)」の方。防御に使ったり、いざというときの攻撃に使ったりと、なかなかの威力のあるそれはぶっ壊れ性能な代物。しかし、それを生み出す手段が、スキルの行使などではなく地道な書き写しなのがバランスを保っているところだ。


過度な虐げも、主人公の奢りもなく、健気に努力して前に進む主人公の姿には胸が打たれる。周囲の大人たちもそんな姿を見て、主人公を一人の冒険者として尊重して対応していたり、ときには守ってくれたりと、優しさを感じる物語だった。

あと、おっきくてゴッツイお馬さんのペルちゃんがとにかくカッコいい+可愛い。一生くっついていたい可愛さだった。

まとめ

原作小説全5巻のうち、第1巻の範囲のコミカライズ。正直、もっと読みたい!というのが本音だが、3巻で綺麗に完結するため読後感は悪くない。ここをきっかけに原作小説を読んでみるのも良いかも知れない(読んだら読んだで、コミックでここも読みたかった!と暴れることになるのかもしれないが……w)。