1992年公開。永遠に美しく…(原題:Death Becomes Her)を紹介。
あらすじ
ヘレンは有名な美容整形外科医・アーネストと婚約するが、学生時代からのライバルである女優・マデリーンに彼を奪われ、2人は結婚する。14年後、若さと美貌を取り戻したヘレンがアーネストを誘惑し始め、マデリーンは秘薬を飲んで若さを取り返すが…。
紹介
バックトゥザフューチャー、フォレストガンプなど、大ヒットメーカーであるロバート・ゼメキス監督作。主演陣3人が非常に豪華で見ごたえのある作品。
「永遠の若さを求める女」という、古典的な設定なうえに、ばかばかしさが多くある脚本でありながら、それを違和感なく実現する特殊メイクとそれを支える名俳優たちの演技により傑作のブラックコメディと仕上がっている。
邦題は「永遠(とわ)に美しく…」と、ただ単に永遠の若さの部分をクローズアップしているが、原題は"Death Becomes Her"となっていて、本作の持つホラー的要素も回収した内容になっている。
直訳の難しい原題であるため、工夫した邦題になっているが、なかなか洒落ていて良い邦題だと思う。
以下は、ネタバレを含む感想を述べる。未見の方はご注意されたし。
見どころは?
やはり主演二人がとにかく素晴らしい。メリル・ストリープが演じる美人で若さに執着している女はまさしく「鏡よ鏡よ鏡さん…」と言い出してしまうのではないかというような悪女感。最初から最後まで、美しさとコミカルさをキープしながら完璧に演じ切る。
ゴールディ・ホーンも対となる主人公を演じる。旦那を寝取られて絶望に落ち、がん太りしたシーンから急激な変身は92年とは思えない変貌ぶりで素晴らしい。最後までメリルストリープとコミカルに言い合いをしている姿には自然と笑いがこぼれる思いだ。
そんな二人の美女に振り回されるのがブルースウィリスなのだが、彼もまたコメディを見事に演じ切る。なんとも冴えない男で、優柔不断なうえ考えなしで、見ていてあきないキャラクターだ。
ばかばかしいけどそれがよい
シナリオ自体はそこまで深いものではない。永遠の命というところから簡単に連想される結末を迎える。ただ、3人のキャラクターの関係性の変わり方だったり、彼らのコミュニケーションはひとつも無駄がない。
不老不死の薬を与えてくれるやつらも雰囲気たっぷりだけどものすごく間抜けな感じだし、世界観も謎だ。でも楽しい作品だ。
真面目に見てしまうと、気になってしまう場面がいくつかあるだろうが、そんな風に難しく考えず、気楽に見るのがよいだろう。