アニメ『現実主義勇者の王国再建記 第一部 (2021)』をイッキ観した感想を書く。
・公式あらすじ
たったひとりの身内である祖父を亡くした相馬一也は、
ある日、突然、異世界に勇者として召喚されてしまう。
召喚された先は、まるで中世ヨーロッパのようなエルフリーデン王国であった。
勇者どころか、ごくふつうの青年のソーマだが、
持ち前の合理的精神と現代知識から、次々と新しい政策を打ち出し、
傾きかけていた王国の財政政治体制を立て直していく。
ソーマと共に歩むのは、エルフリーデン王国の王女リーシア、
王国一の武を誇るダークエルフのアイーシャ、
怜悧な頭脳を持つハクヤ、大食いのポンチョ、歌姫のジュナ、
動物と意思疎通できる少女トモエなど、多才で個性的な仲間たち。
たまたまYouTubeのオススメに、期間限定配信の文字が見えたため視聴。2023年9月中旬まで無料視聴可能。
原作小説は18巻まで出ている、大人気作品。内政系の異世界召喚モノ。
以下はネタバレありの感想を語るので未見の方は注意。
冷静かつ順調に進む政治系作品
勇者として一般的な青年が召喚される系の作品。これといったチートは存在せず、淡々と知識で突き進んでいくタイプで、非常に見やすい一本だった。
なろう系と聞くと、最強俺TUEEE無双モノばかりが思いつくひとも多いだろうが、こういう作品も割りと多い。
内政系作品というと、かなりシビアな戦記物などもあるが、本作はかなりゆるい雰囲気。気楽に見れる作品だと思う。
というのも、主人公が非常に理知的で冷静なのだ。天才という雰囲気ではなくて、せいぜい生徒会副会長、くらいな雰囲気な男だが、非常に頼りになる男として描かれている。
視聴者としても感情移入がしやすく、嫌悪感が殆どない(その分、引っかかるクセも少ないのだが)。
また、主人公の周囲を囲むキャラクター達もなかなか理性的で、不快感が少なくストレスなく見ることができた。
現代にあふれるなろう系作品アニメは、突飛な主人公像であったり、追放系などでは過剰なストレスだったりで、視聴する意欲を失わされることが多々あるのだが、本作はそういった要素の少ない安定作だった。
第一部終盤はやや面白みにかけた
原作小説が18巻も出ている作品だが、アニメ第一部では、小説1~2巻までのみが表現される。かなり丁寧なアニメ化だ。
序盤~中盤にかけては、主人公が「王」となり、周囲の人間、そして国民たちに受け入れられていくさまが描かれていく。このあたりは、やはり現代知識を上手く活用して、うまくいきすぎなくらいうまくいくので気持ちがいい。無双を見ているような感覚だ。
第一部終盤は、一転して、やや危うい戦いが表現される。ただ、この敵が、大将キャラクターこそ強そうなのに対し、回りを非常に頼りのなさそうなおじさんキャラクターたちが固めているため、緊張感にかけた。
おじさんがかっこいいアニメは好きだが、おじさんがかっこよくないアニメは良くないと思った。
現代からの転生(転移)を活かして、超突飛な戦いが見れたりとか、そういうのはない。やはり堅実な作品だ。
案外、普段アニメを見ない人でも楽しみやすいような作品かもしれない。期間限定のうちに見てみてはいかがだろうか。