ささざめブログ

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【海外ドラマ】未来の天才(変人)科学者の少年期を描くファミリーコメディ『ヤング・シェルドン』|S1~S4感想

ビッグバン・セオリーのスピンオフドラマ、『ヤング・シェルドン』を紹介。

作品紹介

ビッグバン・セオリー(正式な邦題は『ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』というめちゃくちゃ #クソダサ邦題 である)は、アメリカにて2007年から2019年まで放送された、超人気Sitcomシリーズ。シーズン12まで放送されたロングラン作品だ。

オタクで変人な主人公たちと、それを取り巻く人々の間に起こる珍事や恋愛模様を楽しく描いた作品で、私の好きな海外ドラマランキングでも第一位に輝く作品である。

 

そしてヤング・シェルドンは、そんなビッグバン・セオリーのなかのメインキャラクターの一人で、超天才かつ超変人なシェルドン・クーパーの幼少期を描いたスピンオフドラマ。

ビッグバン・セオリー放送中の2017年から放送が開始され、現在でも継続しているシリーズである。スピンオフ作品でありながら、かなりの人気を博していて、愛される作品となった。

 

ビッグバン・セオリーでは、Sitcomという作品の性質上、観客の笑いを引き起こすタイミングが明確になるようなわかりやすい笑いやお約束の笑いが多かったり、出演陣が大人であるためにお下品な笑いも度々登場したりした(主人公たちの性格上、他のコメディ作品よりそういう頻度は少なかったかもしれないが)。

一方で、ヤングシェルドンでは、家族愛、家族に訪れる困難というのを赤裸々に映していたり、まだおとなになる前の精神的に未熟で自分を守りきれないシェルドンというのを楽しめたりする(おとなになっても未熟なのだが、こどもの頃は本当に弱々しいのが愛らしい)。

 

過去の話であるため、実は、ビッグバン・セオリーを観ていなくても楽しめるような作品になっている。オススメとしては、ビッグバン・セオリーのシーズン12(最終シーズン)だけでも観ておいたほうがより楽しめるのではないかと思うが、必須ではないだろう。

 

以下、ネタバレを含む感想です。ご注意ください!

 

オリジナルとの矛盾点は気にしないのがベター

ヤングシェルドンは、スピンオフという特性上、ビッグバン・セオリーの世界にある程度基づいて作られている。ビッグバン・セオリーよりも過去の時点の話であるわけだから、未来への影響を考えなければいけない。しかしながら、海外ではもう何度もビッグバン・セオリーとの矛盾点(Plot hole)が指摘されている。

screenrant.com

上記の記事によると例えば……

・シェルドンは「友達がいなかった」と言っていたが、ヤングシェルドンでは友達が存在する

・最も良い影響をシェルドンに与えたはずの人物スタージス博士について、ビッグバン・セオリーでは一切言及されていない

・シェルドンはスティーブン・ホーキング博士と子供の頃に会っていた

などなど、たくさんの指摘が上がっている。

 

ビッグバン・セオリーの大ファンにとっては、これらの矛盾点を受け入れるかどうかというのが、この作品を愛せるかどうかの一つのポイントになっていると思う。

私は、そういった矛盾点は受け入れて、そのときそのときを楽しめばよいではないかとおもうタイプだ。

 

というのも、海外ドラマではプロットホールというのはつきものだ。何シーズンも継続して撮影していると、過去のシーズンとの整合性が合わなくなるなんてのは頻繁に起きる。だから、別作品で起こることなんて、もってのほかなのだ。

そんな細かいことを気にするよりも、今見えているドラマを最大限に楽しんだほうが良いはずだというのが私の意見だ。

 

ヤングシェルドンの愛すべきキャラクターたち

ヤングシェルドンは、とにかくキャラクターが良い。子供が主体の作品となると、どうしても子供特有の鬱陶しさがあるのではないかと心配していたが、それは杞憂だった(まあ、シェルドンがいい意味でウザいのはいつも通りなのだがw)

 

主人公シェルドンは、その天才的な頭脳を持ちながら、年齢とのギャップで度々苦しむ様子が描かれる。また、彼は精神的には年齢相応、あるいはそれよりも幼い人間であるため、賢さと可愛らしさの中間で絶妙に楽しく描かれている。

双子の妹ミッシーは逆に、学力は低いものの、聡明な女の子である。その時たま出る達観した様子がたまらないし、愛すべきキャラクターに仕上がっている。

兄のジョージJrは、とにかくおバカ。でも彼も、のちにはビジネスの才能を発揮して意外な成功を収めたりする。物語が始まった当初は、彼がシェルドンをいじめてしまうんじゃないかと不安だったが、意外にもそこには愛情があり兄として優しい瞬間が度々みられた。

父も母も素晴らしいキャラクターなのだが、やはり忘れてはならないのが、祖母ミーモ(コニー・タッカー)の存在だ。シェルドン最愛の人の一人としても描かれた彼女だが、本作では非常にトリッキーな役割である。敬虔なバプティストの母や、その尻にしかれ気味でアメフトコーチとして辛い日々を送っている父に反して、未亡人でありながら自由奔放、恋多き女であり、子どもたちの悪いお手本としてトラブルを持ってきたり、はたまた数少ない拠り所として、守る側に回ったり。沢山のドラマのなかでキープレイヤーとなるのが彼女だ。

 

シェルドンの家族たち意外にも愛すべきキャラクターが沢山いる。ビッグバン・セオリーとはまた違った種類のキャラクターがいっぱいで、そんな彼らが繰り出すドラマはやはり違った性質をもってくる。

 

総評

シーズン4までがNetflixで配信していたため、一気見してしまった。シーズンの切れ目を感じさせない、心地の良いドラマの連続であった。

シーズン5、6もぜひ観たいと思っている。継続的に配信してくれ~~